一般的なシンプルモダンなマンションがネオ・クラシカルスタイルにリフォームで大変身しました。その乃木坂U邸のビフォーアフターを写真と各部屋の拡大図面で徹底的に解説していきます。
同じアングルから撮影したビフォーとアフターに見えないくらい変わったリビングです。ビフォーアフター写真の右上の番号が部分拡大図面の番号と一致しています。
リビングダイニングとキッチンと廊下だけを取り出して比較したビフォーアフターの詳細平面図です。緑色だった壁でとじられていたキッチンが対面カウンターのオープンキッチンになったこと、また、玄関から各個室のプライベートエリアに直接行けるようになっていた廊下(図面青い部分)をリビングダイニングと一体化させたこと、さらには玄関からリビングへの扉が開き戸だったものを壁の中に扉が消える引き込み戸に変えたことで、LDKが格段に広がったのが分りますね。
ダイニングからキッチンを見返した写真ですが、オープンカウンターになったことで、空間の広がりが全く違ってきました。
ダイニングの端っこからLDKすべてを見返したビフォーアフターの比較写真です。以前の壁が1.5~2.5メートルほどセットバックしています。
判りにくいビフォーアフターの写真ですが、玄関と居室を繋いでいた廊下をLDに合体させたことが分かりますでしょうか?
同じ廊下を玄関側から見返した前後比較写真です。トイレや水回りのサイズを調整しているので、厳密には右側の壁は同じ位置ではありませんが、リビングダイニングが廊下巾80センチ+壁厚10センチの計90センチ分広がりました。
LDK以外にもう一つ劇的に変わったのがプライベートの廊下部分です。かつては2つの個室の前を通る普通の廊下でしたが、個室のクローゼットをそのまま60センチほど移動することで、廊下にダブルボウルの洗面カウンターを作ったのです。
ただの通り抜けるだけの空間に、素敵な通り抜け型の洗面カウンターができたのです。
壁にも装飾とブラケット照明を加えて、ガラリと空間の装いを変えています。実はこのアイデアはカガミ建築計画ではよく使っているのですが、「洗面」と「脱衣&洗濯機置き場」の機能を分けることが鍵となるのです。先ほどの比較図面をよく見ると、以前は浴室前の空間が「洗面&脱衣&洗濯機置き場」でしたが、リフォーム後は洗面が廊下に移動したので、浴室前の空間は単なる「脱衣&洗濯機置き場」つまり「ユーティリティースペース」になっているのです。家族以外は使わないユーティリティーはシンプルに作り、来客もトイレ使用時に使う可能性のある洗面廊下には良い素材や照明などに費用をかけてネオ・クラシカルなデザインを施している訳です。
最後はマイナーば部分ですが、収納や機能を重視してリフォームした玄関部分を説明します。収納まで含めると、リフォーム前後でそれほど広さは変わっていませんが、収納を増やすことができています。赤く記した部分がPS(パイプスペース)で、これはマンションの上下階を貫通している竪パイプなので、位置が変わっていません(というか変えることができません(パイプスペースがマンションの登記記録で専有部扱いになっていることを確認の上形状を変えています))。浴室の位置も変わっていませんが、洗面脱衣から洗面を移動した分ユーティリティーがコンパクトなっていること、またトイレの入り口の向きを変えて、かつトイレ内の手洗いを無くして廊下の洗面を使うことにしたことで水回りがコンパクトになり、その分玄関スペースの幅を増やしていることが判るでしょうか?
PSの横に壁面いっぱいの靴収納を設け、かつその反対側にコート掛けとベンチを設けています。
天井も折り上げ天井にしたことで、空間のボリュームもアップしています。かなり付加(フカ)されていた壁にも照明スイッチと絡めて鍵置き場を設けています。
玄関のたたき部分は大理石柄のタイルをボーダー張りにしています。靴の脱ぎ履きや買い物かご置き場ともなる造作ベンチの下までタタキが伸びているので、靴を置くスペースも実質増えています。
玄関からリビングダイニングを見返したビフォーアフター写真です。空間を分断していた廊下がなくなったことで、玄関ホールにも明るいリビングからの光が差し込むようになりました。
以下は以前にもオーダーユニットバスのリフォームブログでも紹介していますが、洗い場床と浴槽まで交換した浴室のリフォーム前後です。
ユニットバスごとすべて交換すれば、工事自体は楽なのですが、コストはかなり掛かりますし、SDG’s的にもあまり好ましくありません。
ちょうど既存のユニットバスが日ポリ製品だったので、浴槽と洗い場を変えて、壁はタイル上張り、水栓金物類はすべて交換、照明もやり替えることで、ここまで劇的にリフォームすることができました。
最後にマンションのお部屋全体のビフォーアフターの平面図を挙げておきます。