これまでの常識では、造作家具は壁や床にぴったりとくっ付いているものだと考えていましたが、文京区S邸のお客さまとお話をしているうちに、それは日本の常識であっても世界の常識ではないことに気が付いてきました。
こちらは主寝室横に設けるご夫妻用の洗面カウンター家具の組み立て途中の様子です。パッと見ると普通のカウンター家具のように見えますが…、
足元を見ると、このようになっています。普通の造作家具では、台輪という巾木のようなもので家具の箱を支えていますが、今回はフレームが脚となって家具を支えている作りにしているのです。また、その脚のデザインが魅力的に見えるように、右にある洗面カウンターキャビネットと左側にあるリネン収納の面を揃えず、わざとズラしたデザインとしています。
天然大理石のカウンタートップはビアンコカラーラを3方トメ加工で作る予定なので、このような変形の下地が組まれています。
大理石のカウンターが張り付けられた様子がこちらです。
現場でトメ加工されあ材料を接着剤で溶接して、このようにきれいなエッジを作るのです。
更に、下キャビネットにリブ材の表板の装飾引き出しを差し込み、
このように仕上がってきました。
シンクと水栓と鏡と金物が全てついて完成した様子がこちらです。石張りの床に置き家具のように脚で立っている家具が新鮮な感じがしますね。
因みに、こちらが僕ら設計側が作った設計図で、
施工会社の青と、その下請けの造作家具屋の現代製作所と詰めながら作ってもらった製作図がこちらで、
面倒な(笑)脚の部分の取り合いを考えてくれたのがこの詳細図となります。
こちらはもう一つの家族用の洗面カウンターです。
こちらの大理石カウンターは厚みを薄くして、その分収納量を確保しています。
こちらの家具が出来上がった様子です。脚の奥には台輪があるのですが(台輪なしで、脚だけで支えることになると、家具がタワんでしまうのです)、奥まっているので脚だけで立っている置き家具のように見えますね。
こちらは来客用トイレの手洗い家具です。本来はキャビネットの中に入る引き出しが上に載っているので、この状態では何が何だか分かりませんね…。
上下を逆さまにした様子です。手前と左奥の四角い木のキューブ上の部分に…、
この脚を取り付けて逆さまに設置すると、
このように仕上がるのです!
大理石製の天板とシンクを取り付けて完成です。背面の壁と間にも隙間を作っているので、本当に置き家具のように見えるのです。