Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

素材のインスピレーションから膨らむ再設計_成城Z邸 10年目の再設計

成城Z邸

10年前にフルリフォームのお手伝いをさせて頂いた成城Z邸のお客さまから、浴室と来客用トイレの改装、そしてリビングのAVボードを新しくしたいとのご相談をいただきました。初回のお打ち合わせは、新しい青山の事務所へのご訪問も兼ねて行うこととなり、その流れで近隣のショールームもいくつかご案内することになりました。

新しい事務所を見てZさまが一番喜んで下さったのはこの玄関ホールです。小さな玄関スペースですが、ミニベンチと壁の加工大理石サルバトーリの石の表情がとても素敵だと喜んでくださいました。

まずお連れしたのはアノニモデザイン。社長の黒澤さんが直々にアノニモの加工大理石のリトスデザイン(Lithos)と天然レザーの加工パネルのストゥディオアート(studioart)を紹介してくれました。

僕、各務もいつか使いたいと思っていたストゥディオアートのウッドシリーズが面白そうで、寝室のヘッドボードに使えないかとのご相談となりました。特にマッシュルームという仕上げが気に入られたようで、レザーの表面に細かい刻み目を入れて、それを写真手前のブラシで逆立てると独特の表情が生まれる仕上げなのです。

続いて訪れたインテリアズでは、事務所でも採用しているサルバトーリの天然石に改めて触れていただき、その質感や加工の精度を実際に体感していただきました。

事務所の玄関に使っていた大理石の表面をランダムに荒らして金属目地と合わせたトラッティの新しい緑色の石と使ったパターンがとても美しく、ご自宅のどこかに使いたいとのご要望がありました。

また水回りの床に貼られていたビアンコのヘリンボーン柄のストーン・パーケットには、とても強く反応して下さり、これは是非使いたいとのお話になりました!
初めてZさまと出会ったときも、フレンチヘリンボーンの床を絶対に作りたいとのご要望でした。10年経って、再び同じパターンに惹かれるというのは、なにか運命的なものを感じました…。

他にも、サルバトーリの仕上げを何度も触って、他のパターンのどこかに使えないかを提案して欲しいと、本当に気にってくださったようでした。

そして次に来たのがパラッツォ・モルテーニです。まずは候補となるAVボードを見て回りましたが、これまでのミノッティのAVボードが大きかったので…、

新しいものは壁を大きく見せるコンパクトなAVボードになさりたいとのご要望でした。ちょうど玄関入って最初のリビングコーナーにあった、このロゴス(Logos)が良さそうだとのことになりました。

2段階の高さが選べて、天板は天然石、収納部分もオープンか引出しを選べて、一見すると控えめなのですが、細部に触れるとなるほどと感じる絶妙なバランスのプロダクトで、いかにもモルテーニらしいAVボードです。

まだ仮決め段階ではありますが、参考見積をお願いするために、暫定的なロゴスの仕上げ材のお打合せまでさせて頂きました。

その次のお打合せはでは、成城学園のご自宅に伺いました。こちらが当初からのミノッティのAVボードです。実はこちらのAVボードは、僕らがお手伝いする前にご購入を決めていたものだったのです。

以前のブログでもお伝えした通り、ソファも当初はミノッティの大き目なレザーのソファでしたが、ミノッティのコネリーの丸いソファに買い替えています。このソファと比べると、確かに今のAVボードは存在感があり過ぎることを感じました。

浴室では、実際にXさまに浴槽に入って頂きました。当初は広めの浴槽の方が良いと思って選んだ浴槽でしたが、今回のリフォームの背景ともなった、ご自身のご体調の変化のこともあり、より安心して入浴時間を楽しみたいとのことで、少しコンパクトなサイズの浴槽に変更なさりたいとのご希望も良く理解することができました。

実は東京バススタイルのオーダーユニットバスをリフォームしたことが無かったので、浴槽交換ができるかを確認したところ、同じ幅の浴槽であれば交換が可能とのことが分かりました。一緒のタイミングで既存のタイルの上から上張り用のタイルを貼って、水栓類もちょうど10年の月日が経っていたので交換することとなりました。

こちらが今の来客用のトイレです。これはこれで十分以上にきれいで魅力的な空間でしたが、床にモザイクタイルを取り入れ、コンパクトながらもより印象に残る空間になさりたいとのことで…、

事務所にあったモザイクタイルのカタログやサンプルをお持ちして見て頂きました。まだ、今の段階ではこれはというものは無いとのことでしたが、方向性としてはあっているので、もう少しバリエーションを探すこととなりました。

今回の模様替えのご要望は、ご自身のご体調の変化をきっかけに「自宅での時間をより豊かにしたい」というZさまの明確な思いがありました。お引っ越しをなさってから10年というタイミングで、設備交換についてもできるものをしておきたいとのことでした。ご提案を通して改めて感じたのは、素材そのものがもつ魅力が、お客さまのお気持ちを高揚させてくれる力です。
新しい南青山の事務所も、思い切って好きな素材を使ってリフォームしましたが、実際に使用している素材やディテールをその場で体験していただけることで、お客さまのイメージが一気に具体化したのはとても嬉しいことでした。
さらに、周辺に多くのハイブランドインテリアショールームが集まる立地となったことで、思い立ったときにすぐ実物を確認しながら検討を進められる環境が整いました。今回のZさまの計画も、そうした環境の中で、当初のご相談内容を超えて、より広がりのあるプロジェクトへと発展しつつあります。