Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

新築マンションリフォームのメリットとは

麻布台M邸

新築マンションリフォームの麻布台M邸プロジェクト、詳細を詰めたデザインの見積りも纏まったので、解体工事に着手しました。

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180平米の大きなお部屋の間仕切りが無くなっているので、とても広い空間になっています。

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新築マンションリフォームのメリットは以下のようなことだと考えています。

  • エアコンやキッチン設備機器、浴室や洗面などが最新の設備なので、全てが再利用が可能なこと(ただし、一度リフォームをすると新築時のデベ及びゼネコン側の保証は切れてしまいます)
  • 全体がきれいなので、部分リフォームをしても、していない個所との差が生じにくいこと
  • 既存図面類がしっかりしており、ほぼその通りに施工されているので、解体時に予想していなかった問題が発生しにくいこと
  • フローリングや壁紙等がまだ販売されており(築古だと廃番になっていることが多い)、既存と合せるのが容易であること

今回もその法則に則って、設備はあまり弄らない作戦としています。キッチンは、シンクと食洗機、ガスレンジとレンジフードが入っているL字型カウンターはそのまま生かして、アイランドカウンターや背面収納を作り直す計画としています。

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取り外したキッチン収納や扉材ですが、これも再利用することができるものばかりなので、一部屋を保管部屋として確保して、保存して貰っています。キッチンサイドパネルは加工して新しいキッチン収納の扉に利用すれば、既存キッチンと色味を完全に合せることができるので、捨てる手間もなくなり一挙両得なのです。

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ダウンライトなどの照明器具やスイッチパネル、給排気のグリルや点検口なども再利用することを前提に取り置きして貰っています。

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先にも挙げましたが、築年数が5年以下だと、CAD(コンピューターで描く手法)図面と施工された現場の合致度が高く、レーザーで正確に測っても図面と2~3ミリのズレしかありません。床下や天井裏の隠れた部分の配管やダクトもほぼ図面通りに走っているので、解体してみてアレッと思うことが少ないのです。もちろん、有力デベロッパーの建物で大手ゼネコンが力を入れて作った建物だという点もあるのでしょうが。

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天井裏の懐も余裕を持って設計されているので、ダクトが走っている位置とダウンライトが重なっても問題なく施工できるようになっています。

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ただ、設計側も無駄な設備移設などは道連れ工事(何かを動かすことで、他の部分にも関連してやり直すことになってしまう工事のこと)をなるべく少なくしたいという思惑もあるので、それなりの調整が必要です。
こちらはキッチンの天井です。ボード裏にリビング&ダイニング用のエアコンの本体が隠されており、当初は見えている天井カセット式エアコンを移設して、点検口も併せて移設する予定でしたが…。実はそれをすると隠ぺいエアコンまで動かす必要が生じて、ダクト移設の為に天井を全て落としてエアコンとダクトをやり替える大きな道連れ工事が発生してしまうので、パントリー収納の形状を変更して、対応することにいたしました(と書いても、全く判らないと思いますが…)。

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施工をお願いしている青の田原さんと八木君、そしてうちの担当スタッフの竹田さんが打合せをしている様子です。

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今回のお客さまは、こちらをリフォームしても、お子さまの学校のことなどがあるので、すぐに暮らすツモリはないとのことで、しばらくは賃貸として貸し出すことになる予定です。可変性を持たせた間取りとしたいとのことで、従来は3LDKだった間取りを2LDK+書斎(デン)としますが、状況によってはデンを取り壊して大きなLDにもできるようにしたいとのご要望がありました。
この写真で金属製の柱(LGSです)が3本立っていますが、この部分の壁を取り外したいのですが、手前の個室側の天井がこのLGSで支えられているため、撤去すると天井が落ちてしまうことが判りました…。

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つぶしてしまう予定の個室側からLDKを見たアングルです。ところが、これについても天井裏を覗き込みながら、幾つかの工法の話をさせて貰いました。その後、田原さんから特殊な方法を考えれば、数年後にLDを広くしたい時に、比較的安易に壁を撤去できるように作れそうだとの嬉しい連絡が入りました!

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奥の個室2室と洗面浴室はほとんど触らないのですが、こちらの長い廊下は途中に無駄に多くあった収納を取り外して、大きな飾り棚を設ける予定です。廊下の先の右下に見えているオレンジ色の箱は…

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仮設用の分電盤ボックスです。従来の分電盤は位置を大きく動かすので、その移設が完了するまで、工事道具用の電源として、このような小型の仮設分電盤を使っているのです。

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解体では、大量の廃材が発生しますが、共用廊下や荷物用エレベーターを汚さないよう、かつ木材やボード類、金属を別個に捨てることで廃棄費用を安くするために、きれいに分別されています。