現在設計進行中の大型マンションリフォームの目黒区O邸ですが、リフォーム間取り図と展開図デザインと平行して仕上げ材の選定打ち合わせが続いています。
こちらは五反田デザインセンター内にある、ドイツ製カーペットのフォアベルクのショールームです。
実はショールーム見学前は、白金台のカガミ建築計画事務所で仕上げ材と色味の打ち合わせをしていました。一般にリフォーム・インテリアでは、面積の大きい床や壁、天井の素材と色味から決めるようです。ただ、壁や天井はクロス(ビニールクロス)や塗装であれば、見積り金額は想定で入れることができ、最終的な色は工事の途中でも間に合うので、床のフローリング材を最初に決めることが多いようです。
カガミ建築計画では、最初に置き家具の色や素材からスタートすることが多いです。というのは、床材や壁材は小さなサンプルで見ても、その素材で空間全体が覆われた時のイメージが湧きにくいのに対して、家具選び(勿論、お手持ちの家具からスタートすることも多いです)は洋服選びと似ているところがあり、実物サンプルを見ながらファブリクやレザーの触感、座り心地や高さ、重たさなどを実感することができ、価格も分かりやすいからなのです。今回は先日のブログでも書いた通り、一目惚れでほぼ決まった家具があるので、その家具が映えるバックグラウンド作りというイメージでインテリア素材を考えています。
モルーテニでほぼ決まった家具のサンプルシートを机の真ん中に置き、その色味とうまく馴染む色味や素材、そしてその色味を引き立てくれる色味や素材のコンビネーションを並べながら、お嫌いなものがあれば取り除いてを繰り返してゆきます。
平面図と展開図にも暫定的にでも決まった素材があれば、色付けしていきながら、家具サンプルと見比べて調整してゆきます。
ソファ等の大型家具はボリュームも大きくなるので、素材と色味の大きな要素菜になるので、どのブランドのどのスタイルで進めるのか、見積りも合わせながら検討してゆきます。
素材と色味については、あくまでも購入する家具を前提としていますが、大よそ組み合わせが決まってきたところで、実はまだ見ていなかった床のカーペット素材のことをお話ししていたところ、やはり実物サンプルを見比べてみたいとの話になり、急遽ファオベルクを扱っているアーテリアに電話して「今からお客さまと一緒にショールームに伺ってよいか」と問い合わせて行くことになった次第です。
仕上げ材のイメージマッチングをもうすでに3度ほどしていたので、これだけ沢山の色と質感がありましたたが、すぐに候補となるカーペットサンプルを選ぶことができました。
リビングのソファ下に来るカーペットの候補がこちらの3種類です。
一応、他にも合うものがないかを試しに取り出して見比べてみましたが、色の濃淡はあってもグレーから紺色に傾いたカーペット三種のどれかが良いだろうとの話に落ち着きました。ただ、窓が小さいショールームの照明の光では正確な色味が見えないので、大判サンプルをショールームから借りて、次回の現地での打合せ時に見比べようとのことになりました。
そして、これが後日現地床にカーペットサンプルを並べて、ソファの張地サンプルと見比べながら、工務店・青の石坂さんや片岡さんとも自由に意見を述べて貰いながら、考えを纏めてゆきます。
最終的には、一番右端のこちらのカーペットで進めようとのことになりました。実はまだ家具(ソファ)もこの時点では購入までは進んでいませんでしたが、カーペットがこの色なら、ソファもこの組み合わせだろうとのことで、同じタイミングでソファも決定となりました。
まだここまで本決まりになっていない素材ばかりでしたが、スケジュールのことや全体予算のこともあったので、暫定の仕上げ材での見積りを施工会社の青さんにお願いしていました。
概算見積り書は3通あり、それぞれ、どこをどの素材とした場合か、またどの範囲までリフォームした内容かを神崎さんがお客さまに説明してくれました。当初予算よりは家具なども含めるとオーバー気味だとのことでしたが、考えていた浴室の仕様が今の段階ではできないことが分かっていたので、浴室とセットになる洗面も今のままでの使用は十分可能なので、それを何年か後に回すことで、LDKと玄関廊下の空間クオリティーを重視したデザインで進めようとの方針が決まりました。
工事契約と設計契約はまだでしたが、基本的な方針が決まったので、関係者皆で記念撮影をさせて頂きました。左から工務店・青の片岡社長、現場監督の石坂さん、弊社の設計担当の神崎さん、Oさまご夫妻に私、各務です。
ここから先のプロセスもどうぞ宜しくお願い致します!