最初にお目に掛ってご自宅リフォームの相談を受けた時から、リビングダイニングの床にはフローリングをヘリンボーン張りになさりたいと仰っていた乃木坂Uさまの為に、ヘリンボーン張りのフローリングを改めて研究してみました。
カガミ建築計画では、これまで3回ヘリンボーンのフローリングを使ったことがあります。
初めてのヘリンボーンは、15年ほど前の高層マンション高輪M邸で、ローズウッド材のヘリンボーン張りでした。細田木材という会社のピュアヘリンボーンのローズウッド無垢材のLタイプでした。床暖房には非対応品でしたが、異常があった場合にはお客さまが責任を持ってくださるとのことで、工務店の反対を押し切って施工して貰いました(当時は若くて無謀だったのです…)。
2度目は高輪から随分飛んで、6年前の成城Z邸で、こちらでは玄関ホールと廊下にオークのフレンチヘリンボーン張りでトライしてみました。使った材料はニッシンイクス社のオーク90幅のフレンチヘリンボーンでした。高輪M邸と同様に、ボーダーを所々に挟んでのヘリンボーン張りでした。
こちらはホームページ未公開プロジェクトの東京C邸の床です。オーク材をIOCにお願いして特注でヘリンボーン加工して貰ったものです。
最後は比較的最近のプロジェクトで1年半ほど前にお引渡しをした渋谷区Q邸です。Qさまのお友達の軽井沢の別荘が幅広でザックリした表情のヘリンボーンフローリングを使っていたとのことで、調べて望造だと判って、5種類ほどのサンプルを作って貰ったうえでこちらの物に決まった経緯があります。
Uさまにこれらの事例を写真と事務所にある手持ちのサンプルをお見せしたところ、東京C邸が最もイメージに近いとのことで、まずはIOCのショールームに伺うことになりました。
一番手前は東京C邸の時に作ったサンプルで、奥はIOCで作っているヘリンボーンシリーズ(フレンチ)のフローリング材です。
10年以上前はヘリンボーンを探すのが難しかったですが、7~8年前のリノベーションブームからヘリンボーン材は急激に増えてきたようです。ただ、厚突き(表面に使っている単板が厚いもの)が少なかったり、床暖非対応品だったり、樹種が選べなかったり、節の多い材が多かったり、フレンチヘリンボーンが多かったりで中々僕らが希望するような品質のものがありませんでした。
Uさまは色々と見比べてみて、フレンチスタイルはあまり好みではないとのことで、やはり特注対応で作って貰うことになりそうです。
ヘリンボーン材の特注の方法をIOCの方に説明して貰っている様子です。特注の場合は、部材の長さは幅の整数倍にすれば、色々なパターンが選べますが、極端に太かったり、短かったりせずにバランスよい形をお望みとのことが分かりました。木材はオーク材の上品で癖のない所が気に入って下さいました。