元麻布I邸のお客さまは、これまでの家具はほとんど持ち込まず、ほぼ全ての家具を新しいインテリアに合わせてご購入なさりたいとのご希望ですので、工事が始まってからも何度も家具屋さん巡りをしています。
青山のフィリップ・セルバに伺ったのは、もうすでに3回目です。ダイニングに置くダイニングチェアで、中々良い椅子の候補が見つからず、当初CGにも描き込んでもらっていたこちらのダイニングチェアを再確認しようとのことで、再訪させて頂きました。
サイズ的には、外国のダイニング椅子は座面の高さが高いものが多いので、脚をカットして貰うことが可能なものを再確認させて貰いましたが、やはり当初見ていたものが良いだろうとのことで、木部の色味に加えて、座面に張る張地の候補も色々と見せて頂きました。
天然のレザーが一番素敵だったのですが、これから生まれてくるお子さまの使い勝手を考えると、汚れた時のメンテナンスのことを考えて、人工レザーで比較させて頂きました。写真は大判の人工レザーを広げて触り心地を確認して貰っている様子です。
照明の下だと色味が判りにくいので、大判の人工レザーを候補の椅子に掛けてトップライトから自然光が降り注ぐ場所に移動して、色味を確認いたしました。写真のこの色では薄すぎて、もう一つのサンプルの色では濃すぎるので、その中間色にほぼ決まったのですが、2週間ほど待ってもらえれば、その色の大判サンプルも取り寄せることができるとのことでしたので、あと2週間待ったうえで、実物を見てから発注することといたしました。
次に伺ったのがB&Bイタリアの青山のショールームです。これまでのオープニングパーティーやイベントや、純粋な見学などで幾度か伺ったことがありましたが、お客さまとこちらのショールームに伺ったのは初めての経験でした。今回はソファーの前に置くセンターテーブルとラウンジチェアの候補確認です。写真のセンターテーブルはB&Bの上級ラインのマクサルトのものですが、大理石の天板にした場合のお見積りをお願いすることになりました。
主寝室のベッド横に置くラウンジチェア候補として、どうかと思っていたものにIさまご夫妻に座って頂きましたが、座面が思っていたより低く、特にお子さまを抱っこしながら座るにはあまり適していなさそうだとのことで、こちらは採用とはなりませんでした。
僕らがB&Bのショールームを訪問する度に見とれてしまう、ウォークインクローゼットもお二人に見て頂きました。レザー張り家具の細工や、細かい取っ手や照明方法等のディテールには、とても感心してくださいました。とはいえ、今回はクローゼットはここまで広くないし、費用的にも掛けることができないので、参考までにとどめて頂きました。
ラウンジチェアの候補は上手く見つかりませんでしたが、B&Bのファブリックの張地サンプルは色味毎に纏めてあり、とても見やすと思っていたので、こちらも今後の参考までにIさまにご夫妻にお見せした様子です。
こちらは別の日程でご一緒した、輸入ベッド・シモンズの日比谷ショールームのです。大型ベッドとなると、スプリングの硬さを多様な候補の中から選べることや、メジャーなホテルに採用されている実績などから、シモンズかシーリーをお勧めするケースがほとんどです。残念ながらシーリーは、建築家を通しても割引を受けることができなくなってしまったので、今回はシモンズだけを訪問いたしました。
お二人にはショールームにあるベッドに、片っ端から横たわって頂き、柔らかめのものが良いか片目が良いかの感触を体感して頂きました。
とはいえ、幾つものベッドに横たわっているうちに、どれが良かったのか、何が好みなのかが判りにくくなってしまうので…
マットレスに使っているコイルの特製を教えて貰ったり、ダブルクッションとシングルクッションの違いや、どのホテルでどのようなものが採用されているか等を教えて貰い、ベッドの特徴を勉強しながら、ご夫婦の微妙な違いも含めてベッド選びを進めて頂きました。因みに、シモンズで使っているコイルは、それぞれが袋に入っており、その袋同士が繋がっているだけなので、片方に手を乗せておいて、反対側の端部を強く叩いても、揺れが伝搬しないそうで、それを実演して貰いました。
お二人の好みが少しずつ分かってきたところで、ベッドの高さやサイズ、インテリアとの相性などで候補を選ぶことができました。現在、これまでのお住まいからサービスアパートメントにお引越ししていらっしゃるので、そちらで使われているベッドの硬さと比較して頂いた上で、最終決定することといたしました。
アメリカのものを使うとマットサイズが日本の体系と違ってくるので、一通りのボックスシーツや肌掛け布団、枕カバーなども選んで頂きました。
最後は、日本橋茅場町にあるユーロカーサのショールームです。クラシカルな家具で定評があるお店で、僕らも伺ったのは初めてでした。奥さまが座ってくださっているのはイタリアのマリネールのチェアでした。
コンスタンチーニのこちらのチェアが、とても良かったのですが、如何せん重量がとても重く、奥さまやお子さまが動かすのがちょっと難しそうで、残念ながら採用は見送ることになりました…。
ダイニングチェアは最終的にはフィリップセルバに決まりそうです。