特注の造作家具が取り付けられている最中の港区R邸の現場に、特注でお願いしている鋼製サッシ(スチール製の扉)が吊り込まれるとの連絡があり、急いで現場に行って参りました。
ちょうどよいタイミングで、鋼製建具の吊り込みが始まったところでした。鏡板(隙間の面材)やガラスが入っていない状態ですが、それでも十分に重たい扉なので、3人掛かりでゆっくりと吊り込んでゆきます。
実は吊り込み作業自体は、それほど大変なものではないそうで、関根さんがねじ穴をドライバーでひねることで、ピンが飛び出てきて扉が引っかかる仕組みになっているのですが、如何に正確な寸法でこのスチール製の扉を作るかと、上下のヒンジ金物を正確に取り付けるかが勝負の作業とのことでした。
以前一度、金物工場で溶接組み立ての様子を見学させて貰いましたが、金物は溶接するたびに歪みが生じるので、それを反対側から熱を掛けたり、独特の方法で調整してゆくのですが、今回も複雑な形状の取っ手も含めて、きちんと組み立ててくれたようです。
因みに僕らオリジナルの特注取っ手は、以前にも増してバリエーションを増やしており、ますます作るのも大変になってきていると金物屋さんたちに言われました…。
遠景ではありますが、2枚の鋼製建具が吊り込まれた全容が垣間見えます。
こちらは、先ほど塗装前の様子をお見せした二つの特注取っ手のディテール写真です。
こちらは主寝室のウォークイン・クローゼット(WIC)ですが、こちらにも金物屋さんに特注で作って貰ったLED照明埋込のハンガーパイプを組み込んで貰っています。
アップで見ないと判らないのですが、上下2段に重なったハンガーパイプ、それぞれの段の洋服をきれいに照らすLED照明が角パイプの中に埋め込まれています。
金物取付工事と同時進行で、キッチンの取り付けも進んできました。
大理石やタイル張りの壁に取り付くので、先日の石張り工事が終わったタイミングで、アムスタイルの職人さんたちが入っ約1週間掛かりで取り付け工事を行ってくれています。こちらはダイニング側に向いたペニンシュラ型(半島型)カウンターでシンクと食洗器が入っています。
背面側は、このように途中で奥行を変えながら、総長さ4.5メートルのロングカウンターとなっています。その全ての収納が引き出しというのも凄い迫力ですね。
先ほど吊り込んだ鋼製建具の左右に来る、お揃いのデザインの(建具と同じ割り付けの)飾り棚の取り付けもすぐに始まりました。
金物屋と造作家具屋と違った業種を跨いで、同じ寸法体系で作って貰ったものですが、ぴたりと合うか、ドキドキしながら組み立ての様子を見学してきました。
造作飾り棚が設置された頃には、先に吊り込まれていた鋼製建具はしっかり養生されてしまっていました…。ただ、チラッと養生をめくって確認したところ、ほぼきちんと揃った状態となっていました!
先ほどの写真から、バックに見えてしまっていましたが、超高級大理石のポルトロを使ったテレビ壁もほぼ完成しております。中央の凹んだ箇所に壁掛けテレビが設置される予定ですが、すでにテレビがはめ込まれているかのような錯覚を受けてしまいます…。
その上の木製ルーバーもきれいに取り付けが進んでいました。
ちょっと浮かせたポルトロと、その木製ルーバー壁の間には間接照明が入ることになっており、その配線が繋がる箇所のディテール写真が、こちらです。
そのテレビ壁の右横のコンクリートの柱型に沿ったAV収納棚の組み立ても進んでいます。出来上がると簡単な作りに見えてしまうのでしょうが、下にはお掃除ロボのルンバの基地があり、中段までは横面からAV機器を収納する棚があり、上段は正面からの飾り棚と見えない部分にクレストロン機器の配線が入り、手前に調光設備のルートロンが入り、それらは熱を出す機器類なので、熱がこもらないような空気の流れを考えた三次元的な複雑な作りとなっています。
同じように背面にLED照明を入れ込んで、手前に光を透過する特別な大理石のオニキスを設置するための棚の準備も、キッチン横で始まっていました。
こちらはリビングダイニングやキッチンとはうって変わった白くエレガントな様相の奥さまの書斎です。モールディングとレーリングを多用した白いお部屋も徐々に組み上がってきています。
奥さま専用のWICは、ご要望通りにハンガーパイプよりも棚板を優先した造りとなっています。ただ、後日に棚板とハンガーパイプを組み替えることができるように、ロイヤルの壁付け金物で組み立てています。
こちらは大理石とガラスを層状に組み合わせたシチスのモザイクタイル(TOYOキッチン)張りの様子です。港区R邸は、二つのトイレがありますが、こちらは女性陣とお客さまが使う来客用トイレです。
まだ、完成していませんが、ジャクソンの大型便器ヴェローサが入った、ブラウンと白とステンレスを基調とした濃密な空間になる予定です。水栓とボウルもTOYOキッチンで選んだものです。
カウンター下の収納扉は、このようにステンレス鏡面のフレームが廻り、その中にはレザ張りのパネルははめ込まれる予定となっています。
もう一つの男性陣用のトイレは、黒くもっとシックでダークな空間となります。
洗面カウンターと背面のリネン収納が入る前の洗面所に、
まずは背面のリネンの造作収納が取り付けられました。コンパクトな様相ながら、着替えを置くカウンターと沢山のスイッチをレイアウトするスイッチパネル、洗い物収納とリネン収納、そしてご家族4人の下着類を仕舞う引き出しを組み込んでいます。
最後の写真は、玄関ホールです。加工大理石のサルバトーリは透かし目地で張ってゆくので、正面から見たときに目地底が見えないように、目地底に当たる部分に黒いテープを張ったうえで、素材を張って貰いました。
黒い木製フレームで囲った中に、サルバトーリの加工大理石が張り込まれた様子です。最後の保護剤を塗布する前なので白っぽく見えていますが、こちらもかっこよく仕上がりそうです。