高層マンションのエッジが効いたシャープなインテリアデザインの渋谷R邸の設計検査と施主検査を同時に行いました。
渋谷R邸では、僕らはデザインアドバイス(設計までで施工監理は行わないスタイル)でのお手伝いでしたので、本来であれば設計者側の検査は行わないのですが、このブログへの記事掲載と完成後の竣工写真の掲載をご了承くださる特約で工事中も定期的に施主代理としてチェックをして、検査にも立ち会うお約束となっておりました。
同じマンション内に元々暮らしていらっしゃったRさまご夫妻は、頻繁に現場にも覗きに来てくださっていたので、ビフォーとアフターを見比べての驚きはなかったようですが、それでもシャープでエッジが効いたデザインにはとてもご満足して下さっているようでした。
こちらの大理石は、Rさまご自身が岐阜県の関ヶ原石材にまで足を運んで選んでくださったものです。
日程的に検査となってしまいましたが、現場はまだ施工中で完成一歩手前の状況でした…。
新しくご購入する大型テレビの壁掛け金物や、発注と納品のタイミング等について、設計施工で工事をお願いしたプレステージプランニングの松永さんとRさまで直接やり取りをしてくれています。弊社設計担当の前田君も色々とアドバイスをしておりますが、最終的な取り決めは施主と施工者で直にお願いするのがデザインアドバイスの進め方となります。
大きな壁面AVボードの右端には、このような収納が設けられています。扉付きの収納と扉無しで照明付きの飾り棚収納、更にはその下にお掃除ロボのルンバの基地も設けています。床の仕上げが変わっていますが、AV収納の部分だけは廊下からの大理石調タイルが続いています。
因みに、これらの造作家具はRさまの以前からのお知り合いとのことで、Glaughtureの大内さんにお願いしたものです。
人がいない状態でAVボード壁を見ると、このようになっています。一つの大きな木製フレームで枠取った中に、造作家具とタイル壁を組み込み、中央に大型の壁付けテレビを設置することになります。右側には、廊下からの扉が取り付きます。
養生を剥がしてレザー張りの扉を閉めた様子です。左側の木製フレームAVボード壁と鏡面ステンレスの小壁で見切られているのが判るでしょうか?
AVボード壁に直行したブラックキッチンの様子です。ここまで大きくて黒いキッチンは初めて設計しましたが、とにかくシャープで締まっていて、カッコ良いのです!
窓側から見ると、このようになっています。アイランドキッチンの内側は手を抜いても良い部分なのですが、ここまで塗装で仕上げて貰っています。ミーレの食洗器だけは、コロナと戦争のことで新品が手に入らないので、以前こちらの部屋で使われていた白いパネル付きの食洗器を転用しています。
現場で接着した大判タイルのコーナーの仕上がり具合もとても良く、現場で作業したのか、工場で溶接したのか分からないほど精密に仕上がっていました。
背面収納の一部は扉を再度に収納できるシステムを使ってバーコーナーを設けています。
検査で一番喜んで下さったのが、こちらのオーダーメイドのサウナです。まずは担当の前田君が入って…、
次に、身長186センチの僕、各務が寝転がってみて(天井のスプリンクラーを撮影しています)…、
最後にRさまご夫妻に入って頂きました。皆が見ている前で入るのを最初は遠慮なさっていましたが、一旦サウナに入ったら、お二人でこれからの暮らしのことを想像しながら、しばらく籠ってお話しをしていらっしゃいました。
こちらはサウナの手前の洗面所です。当初は浴室やサウナのサイズに追いやられて、ワンボウルタイプにするかまで悩んだシンクですが、最終的には解体後の寸法確認までお手伝いすることで、このようなツーボウルでも余裕の広々とした洗面所に仕上がりました。
ウクライナの戦争のことで、イタリアからの船便が遅れてお引渡しに間に合うか分からない状態だったポリフォーム(イタリア)のウォークインクローゼットの部品が、無事日本に届き組立てが始まっていました。
ここまで頑張ってくれたアクタス社の弊社担当の三上さんとポリフォルムの組立ての専門チームの方々です。ギリギリお引渡しに回わせることができるとのことでした。
こちらの写真は、ほぼ仕上がった来客用のトイレです。工事が煤でいる最中での検査だったので、検査しきれない場所が多く、Rさまご夫妻には申し訳ありませんでしたが、コロナや戦争のことで納期がひっ迫していた状態も良くご理解下さっていたので、現場側が頑張って何とか仕上げようとしている姿勢を評価して下さりました。
来週からは仕上がっている部分からお引越しが始まることになりそうで、竣工写真を撮影するタイミングがなさそうなので、取り急ぎ仕上がっている部分は、写真に写る範囲だけを片付けて、何枚か撮影させて頂きました。それにしても、シャープでカッコよい空間に仕上がりました!