ペントハウス(最上階住戸)マンションリノベーションの新宿区T邸では、以前こちらのブログに書いたような設計経緯で、ガス乾燥機の乾太くんが設置できることとなりました。ガス乾燥機を設置するための工事のプロセスを記録しておきます。
まずは解体時の様子です。沢山のチューブ管が壁の穴から流れて出いるように見えますが、ちょうど壁の裏にガス給湯器が2つついているマンションです。青い管が給水管、赤が給湯管、緑が床暖房&お風呂自動給湯用ペアチューブ管、オレンジが電気配線用CD管で、白い管がエアコンの冷媒管、灰色の管がエアコンのドレイン管とガス管です。因みに躯体壁の裏が緑色にごぼごぼになっているのは、吹き付け断熱材で、その合間に埋め込まれているのが木下地で、その木下地にパイプ類をビス固定しています。
今回の工事では、給湯器、エアコン、床暖房、追い炊き、ほぼすべての設備が交換となるので、工事期間中に使う管だけを残して、ほぼすべての管をまずは一旦整理して貰っています。内側からは無収縮モルタルで、外側からはステンレス板でふさがれていた二つの開口部も空けて貰っています。
内側から開口部を見ることこのようになっており、
外側から見ると、こうなっています。
まだ取り付け前ですが必要な穴の径と数をレイアウトしてステンレス板に穴をあけたものを工務店の青に用意してもらい、これで外部からふたをして貰うのです。
工事の進捗状況に合わせて、ペアチューブや新たな冷媒管が差し込まれていきます。因みに、この壁下地のLGSは既存をそのまま利用しています。
外側から見ると、ステンレス板の穴をに合わせて、全ての管がきちんと通されているのが判りますね。一番大きくて手前に空いている穴がガス乾燥機の乾太くんの排気(正しくは排湿)用の穴となります。
すべての感が通されたところで、LGS下地に吊戸棚設置用のベニヤ板下地も取り付けられました。
ガス乾燥機用の排湿用のダクトが通されています。実はこの段階で、穴のレイアウトが良くなかったので、外部のステンレスパネルの穴の位置を再レイアウトすることになりました。
灰色のベントキャップが外部につきましたが、これがガス乾燥機の熱い排湿を排出する口となります。
2つ並んだリンナイのガス給湯器の右側の機械の下にベントキャップが付く形になりました。
その後、ステンレスカバーの内側を無収縮モルタルで埋めて、石膏ボードで塞ぎ、クロスを張ったところに造作家具で作られた乾太くん用にあつらえた特注の箱が現場に入ってきました。
ちょうど乾太くんの排湿の位置の天板に穴が開いており、それがダクトと接続口となっています。
メラミンで作られた箱の内部の様子です。左上の明かりが入ってくるのが排気口で、左下がガス管の接続口、右上がコンセント穴となっています。
こちらは現場についに到着した乾太くんの排湿口です。この位置に合わせて箱の穴とダクトが設置されているという訳です。
箱の中にかんた君が鎮座いたしました。ダクトはベントキャップと接続する部分は直管ですが、機械と接続する部分はフレキシブルダクトで良いので、手前のダクトを交換しています。
ガス乾燥機では、機械本体からダクトを経由して外部まで排湿管を出す際の長さが短ければ短いほど良いのですが、今回はほぼ最短と言える短さでダクト接続をすることができました。それだけ乾太くんの能力の最大値を活用することができるのです!
あとは外部の工夫です。外側に回り込むと、水道管等が壁貫通する部分はゴチャゴチャしがちなので、給湯器の下部に容易に取り外せるこのようなカバーをつけるのが一般的です。
ただ、乾太くんの排気排湿用のベントキャップの外側このようなパネルをつけてしまうと、熱気と湿気をうまく排出できない可能性があるので、パネルに一工夫してもらいました。
ちょうどベントキャップの正面に当る部分を四角くくりぬいて貰ったのです。切っただけだと、切り口から錆びてしまうので、さび止め塗料を塗ってもらいました。試運転をしてみたところ、うまく熱気と湿気を排出することができました。
最後に完成したユーティリティーの様子です。フレキシブルダクトは断熱を施したうえでメラミンの箱でカバーしています。乾太くん左手前の防水パンの上にはお客さまの好みの国産の洗濯機が設置される予定です。壁クロスも何かユニークなものをとTさまの奥さまと弊社担当の岸本さんが一緒に考えた3色使いで可愛らしいユーティリティーに仕上がってきました。乾太くんを使用するとかなり部屋が暑くなるので、夏の一番時期に冷房が使えるように、小型エアコンのココタスと換気扇を天井に設けました。
因みに乾太くんと洗濯機の裏側の壁側には、スロップシンクとその上のタオルラック、リネンやゴミ箱を収納できる造作収納、そして洗濯物を仮に吊ることができるハンガーバーが吊られています。
キッチンの奥にこのような隠し部屋ができたこと、奥さまもきっと気に入ってくださるでしょう!