神戸のマンションリノベーションM邸の照明計画の実験(調整)に伺って参りました。
今回は、限られた電気容量の中で、LEDを多用しながら、どこまで豊かな、深みのある空間を照明で演出できるかにチャレンジするために、いつもお世話になっている照明デザイナーの三橋倫子さんに照明計画を全面委任して、新しい製品や特注の製品も含めて提案して貰いました。こちらの写真では、天井の片側からLEDで投光して、反対側の天井カーブ部分を照らす照明の位置を調整している所です。
天井の丸い部分にどのような光が落ちるのかを、微妙に調整しながら確認してゆきました。この作業を照明用語ではシューティングというそうです。
天井にアゴを作って、その中にこのようにアームがついて、角度や高さを調整できるLEDを仕込んでいます。森川製作所に、照明のピッチから可動部分まで特別に設計をお願いして作って頂いた照明です。これにアゴ手前の板を上下に上げ下げすることで、最終的な光環境を設定して参りました。
こちらも同じ森川製作所にお願いした、床埋め込みスタイルのLEDアップライトです。元々、現地で取付けた後で、まぶしさをチェックしてからフィルターで調整しようと計画していたので、幾つかのフィルターを重ねてみて、最終的な判断をしてきました。
こちらの不思議な形は、子供室に採用した可愛らしい照明のベースとなる部分です。壁紙にピンクの色を使う予定なので、カバーを付けても見えてくる部分には、先にピンク色で焼き付け塗装して貰っています。
コーナーの棚下にもLEDの間接照明を入れています。こちらのLEDはDNライティングさんのものです。
南側窓面にもカーテンボックスの裏に間接照明を入れています。窓側に遮光のロールスクリーンを入れて、その手前にレースのカーテンを入れるのですが、それらが間接照明でどのように見えるかを確認しました。右側のガラス面に光の粒が写っていますが、レースのカーテンを入れることで、この粒も消える予定です。こちらはトキスター社の製品を使っています。
玄関入って正面には、写真のような大谷石を張っています。ワザと少しずつずらして貼っているのですが、それはこのような照明で上から照らした際に生じる陰影を演出したいと思っていたものです。さすがにこのような照明は、LEDでは演色性がまだ十分ではないので、ここはハロゲンを使っています。
電気やさんと時間を掛けて打合せをするのは、今回が最後になりそうなので、他の電気に関連する部分もチェックして回りました。こちらはインターフォンを設置するためのニッチです。
スイッチ、コンセント類の確認もしています。基本は神保電気のNKPシリーズですが、調光が掛かる部分で、一般の調光器では対応できない個所には、ルートロンのディーヴァを使わせて貰います。
こちらは、夏の終わり頃に、森川製作所に照明デザインの三橋さんと一緒に伺って、特注照明について打合せをさせてもらった時の様子です。
幾つかLED照明メーカーから借りた機器を、夜中の事務所で点灯して、光の指向性や色温度などを実験したうえで機器を決定しています。一番左側が子供部屋に使ったピンポン型のLED器具です。
また、こちらは照明デザイナーの三橋さんが書いてくれた照明据え付けのスケッチ図です。まだ、この時は具体的な寸法までは決まっていませんでしたが、どのような光を設計したのかのイメージを共有することができたので、とても助かりました。