Author Archives: Kenji Kagami

設計業界では亜流であったリフォーム・リノベーションに、十数年前から真剣に取り組んできた設計事務所、カガミ建築計画の各務謙司(カガミケンジ)です。 学生時に初めて設計したプロジェクトがリフォーム、ニューヨークでの建築修行時も高級マンションリフォームに特化した設計事務所勤務、帰国してからもリフォームの仕事が圧倒的に多く、リノベーションに特化したカガミ・デザインリフォームのブランドを立ち上げ、上質リフォームの普及に尽力してきました。

リフォームコンクール優秀賞受賞! 4年連続の受賞です。

[世田谷区N邸]

第31回住まいのリフォームコンクール」(公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター主催)にて、僕らがデザイン・設計のお手伝いをした世田谷区N邸が優秀賞を受賞いたしました!

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応募した際のタイトルは「部屋の凹凸を利用した機能付きニッチで生活に潤いを」です。

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添付資料の色付き図面を見ると判りやすいのですが、角部屋で窓がリビング・ダイニングだけで4つもある採光・通風に恵まれたお宅なのですが、部屋の凹凸が多く、家具がレイアウトしにくく、無駄な空間が生じやすいという問題がありました。
そこで、出っ張った各ニッチ部分(図面のピンク色部分)にリラックスニッチ、読書・遊びニッチ、TVニッチと機能を振り分け、それに合った空間性を付与して、メインの空間(図中の肌色部分)と補完しあうというコンセプトでリノベーションデザインいたしました。

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こちらがダイニングの横に設けたリラックスコーナーです。壁と天井を床と同じウォールナット材で張り廻し、天井部分にフックをつけて、ハンモックや写真のような植栽を吊るせる作りとしています。

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右手に映っているのが読書・遊びコーナーです。集成材で作ったカウンターは、大人が座って読書をするベンチにもなると同時に、お子様のAちゃんのおもちゃを仕舞う収納であり、小椅子に座るとお絵かき用の机にもなります。

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奥に見える緑色の壁周辺がTV・AVコーナーです。テレビの配線を隠すために、壁をふかして段差をつけ、逆T字型に組んだAVラックを作りつけています。

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因みに、こちらがリノベーション前のリビングダイニングの様子です。

僕らはこれで4年連続での受賞になります。大手のリフォーム会社では連続受賞しているところが幾社かありますが、個人が主催する設計事務所では(僕らが知っている限りでは…)4年連続の受賞は初めてではないでしょうか。
何より、デザイン・設計としてお手伝いさせて頂いたNさまご夫妻とAちゃん、そしてお施主さまの紹介からプロジェクトのプロデュース・施工をしてくださった㈱NENGOの中村専務と的場社長、どうもありがとうございました!

サイザル麻のタイルカーペット敷き込み

[広尾N邸]

造作家具や建具、大物の暖炉(マントルピース)が取りついた広尾Nプロジェクトの床に、サイザル麻のカーペットが敷かれました。

ロール状のものにするか、タイル状のものにするか、また外国から輸入すべきか、日本の上田敷物の製品を使うか、IOCの製品を使うかを検討しましたが、結局、価格や張りやすさ、製品の精度などを考慮して、上田敷物のマヤヘンプ・タイルを採用いたしました。

こちらは主寝室の様子です。建具や収納家具の扉が大きいので、スケール感が狂いやすいのですが、扉の向こうに見えているスタッフの竹田さんのサイズと比べると、この部屋の大きさが判るハズです。

プライベートゾーンへの長い廊下にもサイザル麻を張っています。実はこのマンションには、床材にフローリング禁止という条項があるのですが、それ以外の材料についてはすべて許容する(例え大理石張りでもOK!)という、変なリフォーム規約が残っています。お施主さまのNさまは、本当はフローリング張りを望んでいらっしゃったので、ほかの住民の方々も巻き込んで規約改定をしようと考えたのですが、それにかかる時間を考えたうえで、結局このサイザル麻のタイルカーペットを選んでくださいました。
因みに廊下の左側壁に張っている壁紙は外国から送って頂いた天然素材のクロスです。

廊下の両側には本棚が設置されています。こちらは折れ曲がった廊下側から見返した様子です。

玄関ホールはまだ鏡が張られていませんが、高い天井でのびやかな空間になっています。

サイザル麻カーペットタイルのディテールです。高さ15センチの幅木との相性もバッチリです。

キッチン床のビニールタイルも張られています。こちらの壁にも、廊下で使ってた青に似た色を塗装で塗ってもらっています。

来客用トイレは天然素材壁紙とビニールタイルの組み合わせです。広いので本棚を設けています。

主寝室横の洗面室には、やはりビニール製ですが、ボロンという素材を張っています。

サイザルとボロンの見切りはシンプルに真鍮のアングル材を入れて貰いました。

青色は当初は大きなモチーフではありませんでしたが、一時帰国していらしたNさまがリビングのフレンチドアの桟も青で塗装するようにお願いしていたようで、このような様子になっていました。
これで内装工事もほぼ終了で、あとは鏡を張れば完成になります!
サイザル麻の床張りのディテールについては、こちらの記事をご参照下さい。

大型キッチンのある住宅_南麻布K邸リノベーションプロジェクト

[南麻布K邸]

南麻布では2軒目となりましたが、今回も大型で200平米超のマンションリノベーションプロジェクト南麻布K邸がスタートします。

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実は、色々と事情があって、まだ現地を拝見しておりません。ただ、以前ほかのお施主さまの物件購入アドバイス時にちょうど隣の住戸を見学させて頂いたことがあるので、ほぼ内装や窓からの景観は理解しております。管理会社にお願いして見せて頂いた平面図を元に、リノベーション案を考えております。
因みに、こちらのリノベーション案は、一番最初のもので、その後お施主さまのご要望を伺いながら変わってきております。

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お施主さまは外国在住で、夏の間だけ1.5ヶ月だけ東京にいらっしゃっているので、その間に大きなポイントであるキッチンのショールームを回ることとなりました。キッチンだけで25平米(約15畳!)の広さを想定しているので、東京でも大型キッチンの設計・納入経験がある会社として、まずは広尾のポーゲンポールのショールームを訪問いたしました。

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冷蔵庫は最低でも2台、シンクも2か所、ガスレンジは一つでも、オーブンやスチームクッカーなどはドイツ製の大型製品を入れる予定です。ガゲナウリープフェルの大型冷蔵庫を見学させて貰ったうえで、大型キッチン事例の写真も見せて貰いました。

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家具についても全般的にアドバイスをお願いされているので、その足でミノッティの南青山ショールームを訪問させて頂きました。以前お世話になっていた担当の大久保さんは個人的理由で辞めてしまったとのことで、新しい担当の早坂さんに案内をお願いいたしました。

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現在お住まいの外国のお宅でも、ミノッティのソファーを使っているとのことで、ブランドに愛着もあり、信頼度も高いとのことです。ミノッティを中心に家具を選んでゆく予定ですが、ショールームを見て、少し男性的なイメージが強いので、もう少しフェミニンなテイストも入れたいとのご希望を伺いました。

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こちらは別の日程での打ち合わせの様子です。この日はもう一つのオーダーキッチン屋さんの候補として、代官山のアムスタイルに伺いました。アムスタイルとは、以前に一度だけ打ち合わせをさせて貰ったことがありましたが、その時は実現できていなかったので、本当に久しぶりに伺ったことになります。陶製の天板や、ビルトインでもガスを使えるオーブンシステムなど、これまで見たことがなかった材料や機器を拝見させて貰いました。

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主寝室の横に大型のウィークインクロゼットを入れる計画もあるので、恵比寿のモルテーニのクローゼット収納コーナーも訪問いたしました。クローゼット収納に扉を付けた場合とつけない場合のメリットとデメリットをご説明したところ、写真右側のGliss(グリス)のシリーズで、まずはご提案することになりました。

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ミノッティと併せてほかの家具を提案するには、ミノッティと同レベルの精度の家具となるので、現在日本に入っている家具屋では、B&Bかマクサルト、モルテーニかポリフォームとなるそうです。ソファー前に置くセンターテーブルの候補として、B&Bを訪問いたしました。

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B&Bの地下に展開しているマクサルトのショールームも見学いたしました。コンソールやダイニングには面白いものが見つかりました。

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浴室も全面的に交換したいとのご希望を伺っていたので、浴槽のTフォルムの元麻布のショールームも訪問いたしました。ミノッティの近場で、ジャクソン社も訪問予定でしたが、ホーローの質感がお好きだとことを伺ったので、直接こちらに来て、ドイツ製の鋼板ホーロー浴槽のカルデバイを体験して頂きました。
一時帰国の慌ただしい日程の中、3日間に渡ってオーダーキッチン、高級家具、水回り製品などを見て頂きながら打ち合わせを重ねることができました。まだ、Kさまと奥さまとは別々にしかお目に掛かっていないので、一度ここまで打ち合わせてきた内容をまとめて、お二人ご一緒のタイミングで近々に打ち合わせさせて頂くことになりました。どうぞ宜しくお願いいたします!