Author Archives: Kenji Kagami
2014.10.10
虎ノ門ヒルズレジデンスのリフォーム工事進行中
[虎ノ門ヒルズM邸]
新築・超高級マンションの虎ノ門ヒルズレジデンスの内装リフォーム工事も着々と進行中です。
リビングダイニングの壁は4面とも白系のビニールクロス張りだったので、ソファーを置く背面の壁は大理石張りとしています。CPも考えて、定尺の300角の大理石を使っていますが、それをそのまま張るとチープな感じになってしまうので、半分に割ったものと4分の1に割ったものをランダムに、かつ所々を水磨きに変えて貰い張ってもらっています。
大理石の硬質感や照明を受けて輝く感じが、虎ノ門レジデンスのようなハイグレードマンションの内装には合っていると考えてのことです。ただ、ピカピカに仕上げてしまうと、却って安っぽさも出てしまうので、今回のようなデザイン張りとしています。
目地なしで積み上げで張ってもらっていますが、隣同士の大理石がきっちり固定されて剥がれないように、瞬間接着剤を使っていました。
石の背面に見ているのが、二液性の接着剤で、小口に見ているのが瞬間接着剤です。
大理石はカットする作業が大変なので、このようにすべての材料を指定した大きさで買ってしたうえで現場に持ってきてくれています。
大理石張り壁の横に見えていたのが、テレビ収納壁です。テレビは薄型になって壁に収めることができますが、DVDやブルーレイ、ケーブルテレビのデジタルチューナー、さらにはスピーカーと連動させるためのアンプなどは四角い形状で奥行きがあるので、どうしても四角い箱が出っ張りがちです。今回はこの壁の裏面にある靴収納箱を利用して、背面にAV機器類を入れて、写真の貫通口を通して結線することを考えています。
こちらは当初、前田君がラフに作ったテレビ・ステレオ配線図をリフォームキューの弱電屋さんが結線図に仕上げてくれたものです。これだけの機器をテレビ近くに置く必要があり、それぞれをメンテナンスできるようにしておくので、相当大きな収納ボックスがテレビ背面に必要になるのです。
キッチンのカウンター部分の立ち上がり壁の下地も出来上がっていました。オリジナルはデザイン重視で、シンクカウンターの前面に目隠しが全くありませんでしたが、実際に使うことを考えると洗剤やスポンジを片づける場所もなく、きれいに使えないと感じたので、少し野暮ったいかもしれませんが、このような目隠し壁を作ることとしました。
ただ、このまま全面を白いクロスで仕上げると、本当にダサくなってしまうので、カラーガラスと大理石を使って、スタイリッシュに仕上げる予定です。
少しだけサワリをお見せしますが、目隠し壁の甲板部分は大理石を廻すことにしています。その取り合いを打ち合わせ中のリフォームキューの石原工事部長とうちのスタッフの前田君です。
プライベート部分の廊下突き当りの造作も出来上がりつつあります。カラーガラスを張って、周囲にフレームを廻して、その中にピクチャーレールを仕込むデザインです。
2014.10.08
解体工事と臨機応変の対応@白金台Y邸
[白金台Y邸]
ヴィンテージマンションリフォームプロジェクト、白金台Y邸の工事が始まりました。
まずはリノベーションならではの解体工事です。剥がしたカーペット、撤去した天井のボード材、枠材などがきれいにリビングの床に並べられています。
こちらはキッチンからダイニング側を見返した写真です。天井が低く、梁も多く、落ち着きのない空間だったダイニングがどのように変わるかは今回のリノベーションでの重要なポイントです。
こちらがダイニングの天井裏を見上げた写真です。吸排気の太いダクトが天井裏を通っていました。ただ、寸法的には多少の余裕があることが判ったので、天井の高さを少し上げることができそうです。
ダイニング側からキッチンとリビングを見返したアングルです。リビングとダイニングとキッチンの空間的な連携が悪かったことも、今回のリノベーションで解決したいと考えています。
ただ、ダイニングの天井高さを上げることで、それまでは揃っていたリビングの壁際の梁型と段差ができてしまうことになったので、急遽その個所がデザイン的に変に見えないように、図面のように変更することをお施主さまに提案いたしました。ダイニングの天井に張る予定の羽目板をそのままリビングの壁際に立ち下げるアイデアです。
ちょうど、ダイニング部分の照明スイッチを設置する箇所に困っていたので、このフカし壁にスイッチやコンセントを入れることもできるので、デザイン的には一挙両得なデザインになりそうです。まずはこのスケッチをお施主さまに送ると同時に、リフォーム会社に追加の費用を計算してもらって、承認を得たうえで工事を進めることになります。
キッチン部分も解体が進み、カウンターがすでに撤去されていました。床はカウンターを外した部分はモルタル下地のように見えましたが、配管用の穴があけられており、実際は木で床を組んで、その上にモルタルを塗っているようでした。
廊下のカーペットも撤去されています。思っていたより、床下地の精度が悪かったので、下地から手直しする必要がありそうだとのことでした。
主寝室もカーペットが剥がされ、部屋のコーナーにあった、不思議な出っ張りも撤去されていました。天井カセット式エアコンの冷媒管とドレイン管が配管されているスペースを隠すために、不思議なデザインがされていたようです。今回は柱型で配管を隠して、その柱型ごとクローゼット内部にしまってしまう予定です。
リビングのコーナーにあった床置き型エアコンですが、こちらも天井カセット式エアコンに切り替えるので、このスペースは書斎コーナーに転用することといたしました。こちらもスケッチを描いて、見積りをお願いし、お施主さまの了承を得てから工事を進めてゆく予定です「。
アクセントクロスをコーナー部分で見切って、カウンター板と同じようにニッチ上部にも段差を付けたデザインで検討しています。
最後のこちらの写真は、それまでの写真の3日後の様子です。キッチンは吊戸や壁タイルも含めて、きれいにスケルトン状態になっていました。床中央で少し色が濃い部分は図面にも記載されていなかった床暖房だったことが判りました。ただ、これを活かすと床レベルが他の部屋と変わってしまうので、急遽お施主さまと相談させて頂き、撤去することと決めました。ビンテージマンションでは、このような予想外のことが結構な頻度で起こるので、お施主さまと緊密に連絡を取りながら、臨機応変に対応してゆく必要があります。
2014.10.07
家具・カーテン・家電類搬入設置そしてインテリア完成
[高級高齢者向けサービスアパートメントS邸]
先日リフォーム工事が完成しお引渡しをしたサービス付き高齢者向けアパートメントS邸にご依頼されていた家具やカーテン、家電類の搬入設置でこまめに伺っております。
まずはじめに、リフォーム工事開始とほぼ同じタイミングで発注を掛けていた大物家具の組み立て搬入です。こちらはリビングに置くソファー、デンマークのアイラーセン(取扱いアクタス)のストリームラインという名前のソファです。80代中盤のお施主さまご夫妻は、これまでは柔らかめのソファーを好んでいらっしゃたそうですが、一度座り込むと立ち上がるのが億劫になってきたとのことで、座面が比較的高くて、クッションも少し硬めのソファーをとのことで一緒に選ばせて頂いたものです。
ダイニングのテーブルはカッシーナでイスはアルフレックスです。見た目は軽そうなダイニングテーブルですが、実は下部に組み込まれた円環が鉄でできており、重しととして働くので、手をついて立ち上がっても大丈夫とのことで、こちらを選ばせて頂きました。
二つの寝室には、いざという時の為に、介護用にも使える可動式ベッドを組み立てて貰いました。以前、京橋にあるパラマウントベッドのショールームにお施主さまと一緒に伺って、選んだベッドです。
次のタイミングでは入ってもらったのが、窓ガラスのフィルム張り工事です。この部屋は西日が結構きついので、暑さと紫外線対策で、断熱フィルムのシーグフィルムを全ての窓に張ってもらいました。
透明度が高く、断熱性能もきちんとしており、ガラスが割れたときの飛散防止や紫外線カット機能もついた優れもので、いつも愛用しているフィルムです。
こちらはフィルム張り職人さんが使っている霧吹きやヘラ、カッター等の7つ道具です。
家具の補修や追加工事で、合間にも幾度か職人さんたちに入って調整してもらっています。
フィルムの次がカーテンです。今回は、二つの寝室はレースとカーテンのダブル、リビングはハンターダグラスのシルエットシェード、ダイニングはレースのみの仕様としています。取り付けはいつもお世話になっているバウハウスさんです。
シルエットシェードも白と茶色の二色を使い分けております。
家具が一通り組み上がって、カーテンとシェードが付いたLDKの様子です。まだアート・調度品やクッションやラグなどのファブリック類も足りず、多少寂しい状態ですが、空間の落ち着き具合が徐々に見えてきました。
合間を縫って、お施主さまと一緒に選んだ家電・調理機器も運んでおります。上はご主人様ご愛用のネスプレッソ、下は家電用引出内に収まることを事前に確認していた炊飯器とトースターです。
寝室の引出には、金庫も組み込んでもらいました。
しばらく時間を置いて、現代製作所さんに制作を依頼していた特注家具ができたので、搬入設置してもらいました。こちらは、テレビ下に置く、ブルーレイ等のAV機器設置用の収納棚です。
もう一つが、ダイニング横に置く、ファイル類や小物などをしまうサイドボードです。全ツヤで仕上げて貰った扉も非常にうまくできていました。
早速事前に用意していた配線類をスタッフの前田君に接続してもらいました。
お施主さまがアメリカからオーダーしていたラグやクッションも届き、部屋全体の彩りが加わってきました。因みにダイニングのラグはコザック・ジジムと呼ばれている物で、中東の平織のキリムの一種だそうです。華やかなクッションはシルクカバーです。
前田君がお施主さまのご主人にテレビの使い方をご説明している様子です。同時に奥では、こちらのアパートの管理者が奥さまと部屋警報等の使い方の再確認をしてくれていました。
イサムノグチのアカリ照明、アルテミデの読書灯、ポルトローナフラウのセンターテーブルも揃って、ほぼ完成形になったリビングでお寛ぎ中のSさまご夫妻です。
ここまで、長い道のりでしたが、何とかご満足いただけるレベルまで仕上げることができました。関わってくださったリフォーム工事関係者の皆様、家具屋さん、工事中にお世話になった建物関係者の方々、スタッフの前田君、どうもお疲れさまでした。そしてこのような貴重な機会を与えてくださったSさまご夫妻、どうもありがとうございました!







































