箱根C別荘リフォームのデザインには色々な隠れテーマがある中で、お施主様と一緒に考えた小さなテーマが、この風と視線の抜けです。従来は、個別の部屋が連なっているだけの空間構成だったので、単純に部屋を繋げるだけでなく、面白い繋げ方はないかと考えたのが、写真の抜けの空間です。
通常は、薪ストーブの後ろに石張りの壁を設置した場合、その壁の重さを演出するために、いかにドッカリとしているかを表現することが常識です。壁の厚さや、石のテクスチャー(質感)を強調する事が多いのそのためです。それに対し、この別荘では、石壁に大きな開口を設けています。
この開口/窓がある位置は、実は和室の寝室から、書斎スペースまでが、一列に並んでいる軸線の上なのです。家の中央を通るラインに、印象的な石壁の窓を設けることで、風通しが良く、実際に長い距離に視線を馳せる空間が誕生致しました。