高級マンションが集まっている千代田区番町エリアで、ホーマットシリーズの大型ヴィンテージマンションリフォームプロジェクトがスタートします。
当初は、まだマンションの購入が決まる前のご相談で、「どこまでリフォームをすればどのような住宅にすることができるのか?」、「そもそも、リフォームをする価値のあるマンションなのか?」、「目に見えない部分で不安な要素はどんな箇所で、どのような可能性があるのか?」という質問・疑問に対して、有料での現地調査をさせて頂きました。
まずは、Hさまから不動産仲介業者さん経由で管理組合にコンタクトを取って貰い、管理事務所に保管してある竣工時の青焼き図面を一通りチェックさせて頂きました。この図面は給排水配管図ですが、排水管を始めすべての設備配管が床スラブ下(下の階の天井裏)を通っていることが判りました。
こちらの住戸の天井裏を覗いた状況です。上階住戸の給水・給湯・排水の設備管が通っていることが確認できたので、先ほどの図面の記載情報がほぼ正しいことが判りました。赤字コメントは、後日お施主さまに提出したレポート用に写真に書き込んだものです。
こちらはトイレ横の掃除口から覗きこんだ床下のトラップの様子です。この写真ではトラップが鋳鉄製で錆が進行している様子が伺えましたが、トラップ以降の排水管がVP管でその状況は問題がなさそうなことも判りました。
ガス給湯器の下の状況です。ガス管は白ガス管で、給水と給湯管のスラブ上配管はPV管である事が判りました。
建設当時には100平米毎の防火区画が要求されていた住宅ですが、その後防火区画は200平米に緩和されているので、区画壁を撤去できるかが大きな問題の一つでしたが、天井裏を覗いたところ、写真のように区画壁を貫通する配線孔から壁が乾式の耐火二重壁で作られており、撤去することが可能なことも判りました。因みに、区画の撤去については、事前に管理組合に問い合わせをして、他の住居でも撤去していることは判っていました。
以上を纏めたレポートを提出して、価格についてもコメントさせて貰ったところ、その1週間後にご購入を決めたとの連絡を頂いたので、正式にリフォーム計画がスタートすることになりました。
改めて現地を拝見した際の既存の様子です。こちらはキッチンですが、小さなお子さまが3人いらっしゃるので、この閉じたキッチンからではリビングダイニングの様子が見えないので、上手くオープンキッチンにしたいとのご要望がありました。
メインの浴室ですが、洋風スタイルで洗い場もなく、トイレも隣接しているので、それぞれを別々に使えるように再レイアウトして欲しいとのご依頼も頂きました。
広すぎる玄関ホールには、もっと収納を作って、沓脱ラインをきちんと設定して欲しいとのリクエストも頂きました。
こちらは後日、排水管の位置や排気ダクトの位置まで考えた上で、キッチンをオープンにするプランを作って、そのイメージをスケッチしたものです。このスケッチをご覧になったHさまご夫妻は、是非これを基本とした内容でリフォーム計画を進めてほしいと仰ってくださいました。