Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

新規プロジェクト:一番町A邸内覧

一番町A邸

新しいプロジェクトが、また千代田区一番町で始まることになりました。

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築12年で8階、114平米のお部屋です。ご覧の通り、眺めがよい部屋なのですが、残念ながら隣にはこちらのお部屋より少し高いマンションが建つ計画が進行中で、この眺望はなくなってしまいます。

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今回は、これまで幾度か中古マンションをご購入して、不動産仲介のNさんと僕らにリノベーションのデザインと方針を任せてくださり、工事後に再販するプロジェクトを幾度か実行してくださっているお客さまのお仕事です。お仕事の役割分担としては、Nさんが不動産物件を探し、買収交渉やデューデリジェンス(適正評価)をしたうえで、どこまでリノベーションをすれば、どのくらい価値創造ができるかを考えて貰っています。僕らは、物件のデザイン的そして機能的な問題点を見つけ、どのようにそれらを解消しながら、かつ付加価値を与えることが出来るかを考えていきます。お施主さまとNさんと僕らで、リノベーションを施した後で、どのような方が興味を持ってくださるかの顧客想定も考えたうえで、工事に掛ける費用を考えてプロジェクトを進めてゆくスタイルです。最終的に出来上がった物件をオープンハウスを通じて販売して貰うのもNさんのお仕事です。
以下はザッとした僕らの初見での、印象批評です。

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キッチンはまだ十分使える状態でしたが、リビングダイニングと隔絶したクローズドキッチンでしたので、調理カウンターは活かしながらオープンにすることを考えています。

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玄関入って正面に見えてくるアクセント壁ですが、ちょっと印象が弱いのでここには硬質感のある素材を合わせて、もう少しスタイリッシュに見せる工夫を検討しています。

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広さはあるのに、シングルボウルのカウンターの洗面・脱衣と浴室は、全面改装で広さを実感できる水回りセットに変える提案を致しました。

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外観が近隣のマンションに比べて、クールでカチッとした印象なのに、インテリアがウッド調で少しやぼったく感じたので、そこを以下のような内装提案を致しました。

イメージスケッチ

フローリングの色味はこのイメージスケッチでは変えていませんが、灰色調の明るめのものに変えて、リビング正面の壁には大理石調のタイルを張ります。柱型に合わせて収納を作りカラーガラスで仕上げ、デザイン的にまとまるように大きくL字型に周り込む木製フレームで固めるデザインです。キッチンは、既存の調理台は扉交換のみで活かし、対面カウンターを作ることを考えています。
空間の使い方、水回りの変更提案、デザインの印象といった点では概ね気にいって頂けましたが、全部を実施することになると、相当な予算が掛ってしまい、事業性が薄れてしまいそうなので、まずはご説明した内容で概算見積りを早急に作ってもらい、どこに重点を置いてリノベーションしてゆくかを検討することになりました。