Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

プラスター(石膏)ボード張り@代官山T邸

代官山T邸

先日コンセントとスイッチ位置をお施主さま立会いのもと固定した代官山T邸では、プラ スターボード(石膏ボード)張りが始まっていました。

130605boad_bai-1

写真正面の床に積んである薄いベージュ色の板状のものが石膏ボードです。この石膏ボードは、石膏を板状にして表裏を特殊な紙でサンドイッチした建材で、現在内装を作る際の最も基本的な材料です。丈夫で比較的軽く、かつカッターでも容易に切断できる加工性の良さがあり、下地をLGSや木で作り、このプラスターボードで囲い、塗装やクロス(壁紙)で仕上げることがほとんどです。

130605boad_bai-2

折り上げ天井も先週下地が作られていたので、吹き出し口やカーブに合わせて石膏ボードを切欠き、ビスで留めてゆきます。

130605boad_bai-7

こちらは、ダイニングからキッチンへの扉の枠周りです。ポケットを作って、引き戸を引き込むデザインとしていますが、ポケットの下地をここではベニヤ材で作り、その上から石膏ボードで仕上げることになっています。因みに、ベニヤ板は薄い板を層状に重ねたもので、強度があるしっかりした素材ですが、湿気や温度によって伸び縮みがあるので、塗装やクロスの下地としては適していません。

130605boad_bai-8

寝室には、ベッドを置く位置の左右に頭部の照明のスイッチとテレビのリモコン等を突っ込めるニッチを作っています。ニッチの内部は細かい細工になるので木製の箱を組んでもらっています。右側の横長のスリットは造り付けの書斎テーブルを差し込む箇所です。

130605boad_bai-5

同じ寝室の反対側の壁には、壁掛けテレビの為のニッチがほぼ出来上がっていました。左側には、テレビのサイズに合わせたウォールナット張りの棚も取り付けられていました。

130605boad_bai-6

グラスルーチェの下地は、テレビやその前面のガラスの重量を支えるしっかりとした木製下地で組まれています。その周りは石膏ボードで囲われ、後日塗装屋さんが寒冷紗とパテで継ぎ目を埋めながら塗装で仕上げて、完全にフラットになる予定です。

130605boad_bai-4

こちらはダイニングの壁に付いているスイッチやコントローラー、インターフォンを纏めたニッチの様子です。表から見ると2センチ程仕上げから引込んだニッチ状になって、きれいに納まっていますが、裏にはそれぞれのボックスが配線が入り混じって、なかなか複雑な様相を示しています。こちらも石膏ボードでは、細かく切り欠いてしまうと、板としての強度が足りなくなってしまうので、ベニヤ板で作って貰っています。

130605boad_bai-3

最後はプラスターボードとは関係ありませんが、玄関ホールからリビングダイニングへ入る扉の為のフロアヒンジが取り付いた様子です。複雑な機構で扉の重量を支えると同時に、0度と90度でちょうどバネが効いて、開いた状態や閉じた状態で扉を保持しやすくなるスグレものです。その奥から壁に沿ってステンレスのチャンネル(コの字型の部材)が通っていますが、こちらはガラスを差し込むための下地です。