Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

お引越し後の施主検査って…@西麻布N邸

西麻布N邸

通常のマンションリノベーションでは、工事の最後に清掃が入り、そのタイミングで設計者とお客さまの検査が入り(別の時も一緒の時もあります)、それを是正したうえで、お引渡しと取り扱い説明で、その後にお引越しという流れになっています。しかし、この西麻布N邸では、近隣の方々からの工事騒音への注文や、工事の難しさでやり直し工事が幾つか発生してしまったことで、工事の終わりを待たずに清掃が入り、先に取り扱い説明を行ってすぐにお引越しをして、お客さまのご家族が暮らし始めて、少し落ち着いてからお客さまと設計者の検査に入るという変則的なスケジュールになってしまいました。

壁にはアートが掛かって、家具も入って暮らし始めた状態での検査だと、細かい部分まではチェックすることができないのではと心配していましたが、却ってNさまご夫妻が使ってみて、使い勝手の悪い箇所や、傷やズレなどを事前にチェックしておいてくださったので、スムーズに進めることができました。

モルテーニのダイニングテーブル(大理石エンペラドールの天板のフィリグリー)とレザー張りのダイニングチェア(チェルシー)、そしてオーシマプロスにお願いしたラグが入ったダイニングスペースです。天井から吊り下げられたアーテリアーズのダラス・シャンデリアの根元を指さして、説明をしている様子です。

ダイニングは以後のワインセラー置き場は、上部の大理石張りがまだ未完成なので、どのようなスケジュールで完成させてゆくかを現場監督の石山さんと相談しました。

既にNさまご夫妻お手持ちの高級ワインが入った状態のワインセラー収納です。セラーの左はフリッパー扉を開くとワイングラス収納とカウンターになっています。右に細い収納を挟んで、キッチンへの引き戸となっています。全て目の位置を合わせたシャム柿の突板で作って貰いましたが、カッコ良い感じに仕上がりお客さまもとても喜んでくださっています。

来客用トイレがある扉部分をチェックしています。トイレを流す音がリビング側に聞こえるので、何とかできないかとのご相談がありました。レザー張りの引き戸は新しいものですが、その奥のトイレの扉は既存の扉を転用したものなので、そちらを防音仕様にする見積りを作って貰うことになりました。

ロフトへの階段の天井開口部の塗装がうまく出来ていない箇所に付箋を貼っていますね…。工事側のミスばかりを指摘していると、施工業者も面白くないので、きちんと施工されている箇所もお客さまにお示しして、如何に難しい工事かを説明したうえで、それをよくぞきれいに仕上げてくれたことまで伝えるようにしています。ここでは天井の真鍮見切りが素晴らしい出来でした!

階段の足元部分はコーキングがやせて、凹んでしまっている箇所があったので、それを指摘させて貰いました。担当スタッフの前田君がチェックした箇所を全て平面図にマークしてくれています。

こちらもとてもきれいに仕上がった個所です。リビングからプライべートルームへ繋がる扉と一体で作った造作家具です。柱部分の表面にはエッジをカットした鏡を三枚並べてみました。その右側の収納には、AV&テレビ関係のアンプやDVD機器などが収納されています。左側は扉が開いていますが、閉めると一つの家具のように見えるデザインとしています。

一通りの検査が終わったので、新しいダイニングテーブルに座ってこれからの補修方針やスケジュールを相談させて頂きました。

こちらが当日に前田君がチェックしてくれたメモで、

それをその後、お客さまからの追加のご要望や、施工側の意見も取り入れて作り直した資料がこちらです。これをベースに、施工会社側で未成工事や是正工事、追加工事に分類して日程調整しながら完成までのスケジュールを組んで貰うことになります。