広尾の高級マンションリフォームもキッチンの天井と床が仕上がりつつあります。レンジフードを取り付ける壁が、
上階から排水管との取り合いで、下り壁を作ることになり、レンジフードとの難しい取り合いディテールが生じました。火災予防条例により「ガスコンロ等の調理器具との距離を、1メートル以上離して使用しなければならない」
という決まりがあるのです。床の位置から90センチでガスレンジの高さが決まり、そこから逆算してレンジフードの取り付け高さも自動的に決まってくるのですが、思わぬ下り壁が出てきたことで、レンジフードの一部を下り壁の内部に埋め込むことになりました。
といっても将来のメンテナンスや、レンジフードの取替えのことも考えて、下り壁の正面の幕板の一部をビス留めとし、将来取り外しが可能な方式としています。
キッチンの床材は、お施主様の強いご希望で、色の濃いブビンガの無垢材フローリングとしています。従来はコルク張りだった床を、フローリングに変更するに際し、下階への音の伝わりを考慮し、下地として防音材を敷き詰めることになりました。この防音材の厚み分だけ、他の部屋より高くなってしまうので、中央ホールと、リビングからキッチンへ繋がる部分に、緩やかなスロープを設けました。約80センチの幅で2センチほどの勾配なので、実際に出来上がれば、ほとんど気が付かない部分ですが、設計・施工側では相当の注意が必要です。
こちらの写真が、中央ホールとキッチンの間のスロープ部分です。段差の部分には、キッチンの側板がくるので、段差に生じる三角形の形は見えなくなります。これらのように細かい取り合いを、現場と相談しながら少しずつ解決しながら、マンションリフォームの完成へとスケジュールが進んでゆきます。