先日始まった駒沢X邸リノベーションプロジェクトですが、お客さまの好みのインテリアが六本木の高級ホテル、ザ・リッツ・カールトン東京の内装だとのことで、まずは担当スタッフと一緒にホテルを視察して参りました。
ベージュ色の石に軽く着色したシカモアの突板パネルがベースとなって、そこに階層や用途に応じてアクセントとなる壁色や照明器具をアレンジしてゆくスタイルのインテリアでした。
メインの空間からサブ空間へと移ってゆくと、石が消え、木製パネルの面積も減ってクロスが入ってきます。シンメトリー(左右対称性)はきちんと確保されたデザインとなっています。
扉などで分節化されていない空間では、床材はシームレス(継ぎ目なく)同じ柄のカーペットが続いてゆきます。開口部の太い枠で仕上げ材を見切っており、廊下のユーティリティー空間では織物クロスに背の高い木巾木が使われていました。
注意しないで歩いていると、曖昧な空間のイメージしか頭に入ってきませんが、今回のように具体的なデザイン素材として研究しながら見て回ると、色々なことに気が付きました。
ただ勝手にホテルに入って、こそこそ写真を撮っているのも失礼なので、見学の後にはロビー階のカフェでお茶を頂いて一服させて頂きました。
一度このような形で予習をしたうえで、次はお客さまと一緒にリッツカールトンを訪問して、具体的な素材候補を見比べながら打ち合わせをさせて頂きました。
幾つかの素材サンプルをもってホテルの床に置いてみて、ベージュトーンの大理石の色味を比較したり…、
突板パネルとほぼ同じと思われるサテンシカモアの突板を横に並べて、木目を見て頂きました。今回も視察だけでは失礼なので、同じサロンでお茶を頂きながらの打ち合わせをして参りました。
お客さまからトイレや水回りのインテリアも好みだとのことを伺ったので、男性用トイレの手洗いまで見学して参りました。他の空間では、ほとんど使っていなかった黒が入ることで、引き締まった空間となっていました。
お客さまも、まるっきりザ・リッツ・カールトン東京と同じインテリアにしたい訳ではありませんので、この2回の視察で感じた空間のエッセンスを駒沢X邸の内装計画に活かしてゆきたいと思っています。