先日の壁や天井の下地工事で、躯体の歪みを補正することができたヴィンテージマンションリフォームの港区三田A邸の現場に、ボードが張られてきました。
表題の段差&カーブ天井ですが、そのうちの段差はこちらの写真でL字型に天井と壁が段違いになっている個所です。正方形で広いリビングダイニングはとても気持ちが良いのですが、照明計画や家具レイアウトが難しく、天井の段でダイニングとリビングを緩やかに区分けし、更に段差のアゴ部分に間接照明を仕込むことで、天井の高いリビングエリアを明るくするデザインをご提案しました。
左側の天井が高い部分がリビングエリアで、右側の天井が一段下がったエリアがダイニングとなります。 リビングの壁には横ラインが走っていますが、ビニールクロスをパネル張りするための下地となっています。
逆から見た写真です。ダイニングの天井部分を良く見ると、スリットが掘られていますが、ここにはライティングダクトとスポットライトが埋め込まれる予定です。
ダイニングからさらにキッチン・玄関ホール側に寄ったアングルの写真です。梁型と天井がカーブで繋がっているのが判るでしょうか?これはリビングダイニング側から見た梁型の存在感を少しでも和らげるためのデザイン的工夫なのです。手前の壁に黒い帯が張られていますが、こちらの説明はまた後程…。
港区三田A邸では、玄関ホールからリビングダイニングが壁や扉なしで一体で繋がる平面計画となっていますが、ここでは梁が一種の結界的な役割を担っています。また玄関ホールの壁は灰色のタイルを目地なしで張って、重量感を演出しています。
天井からカーブのラインが梁型に纏わりついていますが、その梁を逆側からみると、このような形状となっています。固い梁型から少し離れた所から、薄い皮膜がカーブを描きながら天井を作っている構成としてデザイン致しました。
以前のブログでお見せしたこちらのスケッチが、その元イメージですが、まだ、この状態でも判りにくいですね…。
さて、先ほどの写真にも写っていた、こちらの黒い帯で縁取りされた壁ですが、こちらは黒いカラーガラスを張るための見切りと下地なのです。
廊下からキッチンへの引き込み戸の枠部分の アップ写真ですが 、こちらは人が頻繁に出入りする開口部になるので、カラーガラスの構造的な弱点である端部に物がぶつからないように黒く焼き付け塗装したL字型の金物を先行して取り付けて貰っています。ポツポツと張られた長方形の物はガラス固定用の両面テープで、壁面の所々に発している黒いテープは、カラーガラスを0.2ミリ(約名刺一枚分の厚み)程度の目透かしで張るので、そこから下地が透けて見えないようにするためのテープです。
この壁のカラーガラスは壁端部を回り込んで壁の小口まで張られるので、このように細かい箇所にまで焼き付けアングル金物が回っています。
廊下奥の個室や水回りなどのボード張りも順調に進んでいます。こちらは廊下に面した納戸収納の内部です。引き込み扉も設置され、枠もクロス巻き込みで仕上げられる予定です。
養生が被せられており、見ることが出来ていなかった床フローリングですが、養生シートを一部剥がして、張り具合を確認させて頂きました。