既存水回りの床下のシンダーコンクリートを撤去してきた渋谷区Q邸の現場ですが、かつての主寝室の水回りについては、シンダーコンクリートが二重になっており、防水層の下の二段目のシンダーコンの下のどこを横引き排水管が通っているか分からない部分がありました。
排水竪管は、各務が立っている背面壁の後ろにあり、ほぼどこが室内への排水管の飛込み位置かは分かっているのですが、そこからどのようなルートで排水管が通っているかが分かりませんでした。コア抜きの機械でやたらめったら掘ってしまうと、既存排水管が使えなくなってしまい、新しく作る水回りからの排水管が接続できなくなってしまうので、作戦を立てて排水管を探し出す必要がありました。
結果的には、この写真の通り、排水管を無事探し出すことができました。作戦としては、排水管が通っていると想像される線を横断する形でコアを抜いて行きました。そこでは排水管を切断しても構わないので、場所をまずは特定し、そこで見つかった管の位置から、周りを丁寧に手斫り(テハツリ)で、恐竜の骨を傷つけないようなイメージで(笑)探って貰いました。
クローズアップの写真で見ると、このような状態で掘り出すことができました。管の種類はVP管(塩化ビニル管)と呼ばれているもので、耐用年数も大よそ50年以上と言われているので、この切断された個所に新しい排水管を繋ぎこんで再利用することができそうです。
折角深くまでコア抜きした他のカ所のシンダーコンですが、これ以上シンダーコンを斫ると、それが産業廃棄物となって搬出及び廃棄の価格もバカにならないので、掘り出したコア材を詰め込んで、フラットに近くなるようにして、改めて左官材で補修して、フラットな下地を作ることになりました。
パズルのように埋め戻されたコア材の様子です。
新たに設ける浴室やシャワー、トイレや洗面、手洗いの位置に排水管を横引きしてゆく計画を施工会社の青が図面化してくれています。
床下のことが大体整理ができてきたので、遅ればせながら天井裏のダクト等の計画も相談しています。ダクトが交差してしまうことで、天井高さが制限されていたので、ダイニングについては、ダクトのルートを変更することで、折り上げ天井で天井高さを高くする方向で調整しています。
布状のもので巻かれているのがキッチンの排気ダクトで、ピンク色の吹き出し口があるボックスへと繋がっているのが空調のダクト、細くて一直線に伸びているのは給気ダクトとなっています。それぞれ2カ所ずつ交差しているので、吹き出し口の位置を変更し、キッチンの排気ダクトルートを変える旨お願いしておきました。
こちらの写真は、既存の窓枠の上に隙間があり、そこから寒気が流れ込んでくる可能性があることが分かったので、まずはスタイルフォーム(写真の青いバー)で隙間をザッと埋めて、その後で一液性の発泡ウレタンを吹き付けるようお願いしています。
現場での調整事項を図面に書き込みながら打ち合わせをしている様子です。
造作家具と建具をお願いしている現代製作所からは、以前お客さまにダメ出しされた既存建具の再塗装の2度目のサンプルが届きました。今回は基材に染色はせずに、ラッカーにカラーを混ぜる方法でトライしてくれたそうです。
こちらが思っていたイメージに近づいてきたので、改めてこれらのサンプルをお客さまのご自宅に持ってゆき、見て頂くことになりました。
併せて、お客さまがお好きなイメージだと言ってくださったリアルパネルのレガシーオーク色(ニッシンイクス)からもう少し黒を強くした突板の塗装サンプルも上がってきたので、チェックさせて貰いました。