Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

元麻布J邸ビフォーアフター

元麻布J邸

先日リフォーム工事が完成しお引き渡しを終えた元麻布J邸のビフォーアフターの写真をいくつかご紹介いたします。

空間的に最も変わったのはこちらのキッチンからの写真だと思われます。上のビフォー写真では、壁で閉じられており顔を扉の所まで出さないとダイニングやリビングの様子が分からなかったキッチンですが、フルオープンなペニンシュラ(半島型)カウンターのキッチンにすることで、料理の下ごしらえをしながらダイニングで勉強するお子さまや、ソファでテレビを見ている人とお話ができるようになりました。

キッチン自体も以前はI型の一列キッチンだったものを、ガスコンロからIHコンロに変えたおりますが、シンクカウンターをペニンシュラ側に持ってきた二の字型キッチンに変更しています。右手前の黒いボックスは冷蔵庫収納となります。

キッチンから一歩出てダイニングからリビング側を見たビフォーアフター写真がこちらです。リフォーム前はキッチン、ダイニング、リビングが全て引き戸で仕切られていましたが、それを全ててっきょしたことで空間が広がりました。上のビフォー左奥に2連の小型窓がありましたが、ちょうどその中央の方立に袖壁をつけて、子ども部屋の壁位置としています。

テレビを取り付けた壁からキッチン側を見返したビフォーアフター写真がこちらです。以前はダイニング壁に鏡が張られていたので、広さ的にはビフォーも広く見えますね…。ただ、お子さまがまだ小さいJさまのお宅では、キッチンから家中のLDK、そして扉を開いていると子ども部屋の様子までが垣間見ることができるこちらの空間の方が、圧倒的に暮らしやすいと思われます。

壁がなくなっただけでなく、天井の折り上げ形状も複雑な2段仕上げからすっきりとした1段に変えたことも大きな変化ですね。天井の折り上げ面が大きくなって、それだけでも空間が広く感じる効果があります。

梁型の底面の高さで、カーテンボックスやクロス壁の見切り壁も揃えているので空間の線が整理され、全体にスッキリしたのが分かると思います。

もしかしたら一番変わったのはこの廊下かもしれませんね。左側が元の廊下で、左右にそれぞれの空間への扉がバラバラとついていました。右側のアフターの洗面廊下は廊下の長さに沿ってダブルシンクの大型カウンターを配置し、その奥にはビルトインの洗濯乾燥機を収納しています。反対側の壁面には床から天井までのトール収納を3本入れています。ただの通り抜ける廊下空間を少し幅を広くして、機能を与えることで、お部屋全体の空間を効率的に使うことができました!

かなりコンパクトになった主寝室ですが、正面の左右にある細い引き戸を開けると、2つのコンパクトなウォークインクローゼットがあり、収納力が大幅にアップしています。左側の扉奥はウォークスルークローゼットとなっており、子ども部屋と繋がる仕掛けになっています。

最後は玄関ホールのビフォーアフターです。元の空間も木目調でシックで良かったのですが、かなり暗かった(この写真では露出調整で明るく見せています)のを空間を整理して、無駄な折り上げ天井を廃し、素材感のある大理石壁とレザー張り建具とクロスパネル張りの壁を作り、リビングダイニングの空間と質感を揃えました。