Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

造作家具の組み立て-2_マッドルームと本棚と読書コーナー

文京区S邸

文京区S邸のその他の造作家具の組み立ての様子です。

こちらは長い土間廊下に沿って展開するマッドルーム収納の一部です。

玄関が二つあるこちらのお宅では、一つは来客も含めた正式の玄関、もう一つはお子さま達の日常使いの勝手口となります。この勝手口入ってすぐの左右に靴やジャンパー類、学校用具や遊び道具などを収納できる家具を展開しているのです。

勝手口入って左側には靴収納とコート収納が納まります。それぞれのキャビネットの上には弱電盤と分電盤が設置されます。

勝手口入って右側がL字型のベンチシートが伸びています。

このように立てた脚の上に…、

甲板を乗せてベンチとしています。

組立上がるとこのようになりました。3人のお子さま達が暮らして、壁のフックにカバンが掛かってくると楽しく賑やかな空間になりそうです!

こちらは主寝室に設けた本棚です。お客さまからは希少なアンティークの本を入れる本棚なので、間接照明などで飾り立てるのではなく、無垢材で作った棚板で武骨な本棚として欲しいとのご要望でした。

壁に穴をあけたニッチに押し込んで水平垂直を確認しながら設置してくれています。

壁と本棚家具の隙間に差し込んでいるのはこのような素朴な器具で、風船に空気を送り込むことで、微妙な調整ができるものとのことでした。

当初は全てオープン棚の予定でしたが、お客さまからスプリンクラーが誤作動して水を出した場合、希少な本がダメージを受けてしまうのでガラス扉をつけて欲しいとのことになりました。デザイン的に左右の本棚にガラス扉をつけて、真ん中の2本はオープンにするご提案をさせて頂きました。

最終的に組みあがった本棚がこちらです。

無垢材で作った棚板に、濃灰の転び留めをつけたことで、お客さまのご希望通りの武骨な風合いに仕上がりました。

こちらはマッドルーム隣にあるランドリールームです。

キャビネットに扉がついて…、

お客さまと一緒に選んだ植物柄の壁紙が張られて、

真鍮職の水栓や金物が取り付いてランドリールームの完成です。あとは、今お住まいのお宅からミーレの洗濯乾燥機を移動すれば、すぐに洗濯作業がスタートできますね。

職人さんが斜めの台輪を組み立てる作業をしてくれているこちらは、子ども部屋の中に作る読書コーナー家具です。

僕らが作ったスケッチ画をもとに、

建築工事の青と造作家具工事の現代製作所で、作ってくれた図面がこちらです。建築工事で作った壁に固定棚の本棚を組み込んで、台形のベンチを家具工事で作ってもらうという算段です。

台形のベンチ下には引き出しをつけることになり、ちょっと面倒な作りになってしまいました…。

どのように組み立てればよいのかを現代製作所の吉岡さんが判りやすく図解してくれた図面です。

こちらが上部の固定本棚で、

こちらが台形のベンチシートの下地組です。

クローゼットが三本並んだ横に小さな読書コーナーが作られています。

最後に出来上がったのがこちらです。女の子たちが選んでくれたシートの色はピンクではなく、青でした。下の引き出しは上に立っての出し入れは危ないので、鍵をつけて大人が一緒の時にだけ使える仕様としています。これはお嬢さまたちに喜んでもらえそうです!