Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

マンションリフォームの解体と墨だし

白金台C邸

一昨日から工事が始まった白金台のマンションリフォームC邸の現場に解体情況と墨だし寸法の確認に行ってきました。マンションの管理事務所から竣工当時の図面を事前に借りて、よく研究・分析した上で解体工事を始めているので、解体前から、図面と違う箇所があることはある程度判っていました。そういった個所は、用心しながら解体してもらいました。

一番の大きな違いは、床スラブの設定でした。水周り(キッチンや洗面、浴室やトイレ)の床は給排水管を振り回すためのスペースが必要なので、床スラブ(コンクリートの床)を実際の床仕上げより下げることが多く、今回も図面では、水周り全てと廊下の床スラブが下がっているように記載されていました。しかし、実際に床仕上げを撤去してみると、洗面やトイレ、浴室部分の床は確かに下げてありましたが、キッチンや廊下は必要な部分だけは下がっていましたが、あとは後詰めのシンダーコンクリート(軽量コンクリート)で嵩上げされていました。現場監督との相談で、リフォーム計画に影響が出ないように、調整することが出来ましたが、やはりちょっと古いマンションは、解体が終わるまで冷や汗ものです。

解体がすんだところで、墨だしの確認に移りました。壁の立ち上がりや、コーナーの直角のスミがきっちり出ていない中で、どこの壁や線を基準に、何に平行にするかを工務店に指示してきました。床のレベルや壁の直角は、皆少しずつ狂っているので、新しく作る壁や、建具、造作の家具でカバーしながら、肉眼では気が付かないレベルまで微調整してゆくことになります。解体と墨だしが済むと、現場の隠れた問題はほぼ全て出揃うことになります。今回はリフォームの計画全体に影響を及ぼすような大問題は発生しなかったので、まずは一安心でした。