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プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
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白系大理石探しの旅3_軽量ハニカム複合石材の工場見学

ザ・ライブラリー

ザ・ライブラリーのプロジェクト、横浜H邸の大理石探しブログの続編です。
更新が遅くなってしまいましたが、先回のブログの通り、お目当ての白系大理石が見つかり、今回の中国福建省への大理石ツアーの第一の目的が叶いました!

中国で大理石を案内してくれた曽さんにお願いして、大理石のスラブ材を薄突きにしてアルミハニカム下地に貼る工場を見せて貰いました。

アルミハニカム複合大理石(別名、ハニカムストーン、薄板大理石複合パネル)はこのような製品となります。普通の大理石スラブは厚みが20~30(日本の標準)、15~20(中国の標準)とされています。
それに対して、アルミハニカム複合大理石は石材の厚みが3~5ミリで、その薄さを補強する形でアルミハニカムが背面から貼られた加工品となります。
一般のスラブ材と比較してのメリットは、
・重量が軽い(同じサイズのスラブ材と比べると、1/3から1/5程度)
・曲げ強度、耐衝撃性が高い
・軽いため、接着での施工が可能で施工性が高い
・寸法安定性が高く、たわみや反りが少ない
デメリットは、
・コストが高い(加工する手間が掛かっているので普通のスラブ材の倍以上の価格になる)
・厚みが薄いため、エッジ加工や曲面加工が難しい
といったことが特徴となります。

「薄く加工した石材にアルミハニカムに貼りつけたもの」と先ほど書きましたが、工場を見てそれが全く嘘だったことが判りました。

大理石のスラブの両面にアルミハニカムを密着させてから、スラブ大理石のちょうど中央からカットするという加工方法で、一度にブックマッチになった加工板を作るというのが正しい表現でした。使われている切断用の機械は、マルチワイヤー切断機と言われるもので、それほど特殊なものではありませんでした。

この工場の別の場所では、このように、巨大な石と井桁に組まれた鉄のフレームで、両面からアルミハニカムパネルを接着した石材のベースとなるものを作っていました。石材の硬度と同程度の強度のある、高強度接着剤を使っているとのことでした。
こうやって見ると、かなり素朴な技術で、接着固定するのにもかなりの時間が掛かりそうですね。

こちらはかなり大判のコスミックブラックという黒系の御影石の石材のアルミハニカム材でした。御影石は大理石より硬度が高く、カットする時間も倍以上掛かりますから、この製品にすると価格はかなり上がってくると思われます。
以下続きは、ザ・ライブラリーブログ記事をご覧ください。