南青山に事務所を移転する計画、現地のリフォーム工事はゆっくりながら着実に進んでいます。

二つの小部屋が並んでいた玄関横の個室は、間仕切り壁が撤去され打ち合わせ室となります。

打ち合わせ室には照明の調光と調色、ブラインドもアプリで自由に操作することができるルートロン社のホームワークスのシステムを入れることになっております。ルートロンは使ったことがあっても、ダリという制御システムを使った照明器具やホームワークスは、電気屋の稲村さんも始めてとのことで、ルートロン社の谷崎社長が現場に来て説明をしてくれました。

照明器具は面倒な配線は不要で、全てを一筆書きのように繋げて、トイレの収納ボックス内に設けるルートロンの盤に繋げればよいとのことでした。

照明スイッチはボックスなしの独特な接続となることも事前に聞いていたので、デモ機を持ってきてもらい、接続方法を稲村さんに確認して貰いました。

ホームワークスで制御できるブラインドは、やはりルートロン社のものとなるので、サンプルから一番良さそうなものを選ばせて頂きました。

こちらの部屋には以前は壁掛けエアコンが2台ついていましたが、LDの横にあった小部屋の天井カセットエアコンをこちらに移設しました。お客さまもいらしての打ち合わせを想定して、カガミ建築計画/ザ・ライブラリーの標準的な仕様を使ったインテリアにしたいので、エアコンの冷媒管やドレイン管が露出することは避けたいと考えていましたが、窓際にカガミ建築計画お得意の木製三方フレームを取り付ける際に、2つの窓の間の壁部分をフカすことで冷媒管とドレイン管を隠すことができそうです。

天井の石膏ボードを張り直した打ち合わせ室です。実はこの時点で床のフローリングも既に張り終わっています。

フローリングは、カガミ建築計画で最近一番多く使っているADワールドのノルド・シリーズのモハベを使っています。ちょうどADワールドに在庫があった分で打ち合わせ室と廊下が足りることがあったので、営業担当の阿部さんにお願いして確保してもらったものです。こちら見ているのが現場監督の栗原さんで左側が超優秀な大工の小野寺さんです。

こちらは廊下にあった分電盤です。当初はこの壁の裏がトイレになるので、その収納の中に隠す計画で進めていましたが、パナソニックが新製品で露出で設置してもスタイリッシュな分電盤のFLEXIID(フレキシード)というものを発売し、そのモニターを募集しているとの話を出版社のエクスナレッジ・西山さんから聞きました。急いで申し込んでみたところ、ちょうどタイミングが良かったのかモニターとして提供してもらえることになりました。

電気屋の稲村さんと田口さんと各務で相談して、回路数を数えて、フレキシードのBDN5225(主幹容量50A、100V16回路、100/200v兼用6回路)をお願いすることになりました。

こちらが現場に届いたフレキシードの分電盤です。

分電盤用に作ったニッチの中にはめ込んでもらった様子です。分電盤の厚みが、深さ100ミリと業界最薄で、真っ白で不愛想な(失礼!)フタが白い塗装壁の中においても違和感がないデザインとなっています。因みに、モニターとしての採用の条件は、工事完成後に取材と撮影をとのことでした。

バタバタした中ですが、まだ未決事項だった床に使うタイルを探しに銀座のマラッツィショールームを訪問してきました。
今回新事務所で採用する素材類を選ぶ基準は以下のように考えています。
- これまでにカガミ建築計画で使ってきて、デザイン性とコスパが良いもの
- ショールーム的にも使う予定なので、今後も永くお客さまにご推薦したい良質のもの
- 急に事務所移転とリフォーム工事が決まったので、在庫があるか短納期なもの
- これまで使ったことがないが、今後使っていきたいと思える魅力があるもの
そんな中で、玄関タタキとトイレとキッチンの床は、愛用させて貰っている石目調のタイルのグリスフルーリーを使うことに決めました。在庫を確認して、使う面積を見ながら以下のような張り方を考えつつ、発注致しました。

キッチン床とトイレ床は在庫サイズが限られていたので、ちょっとデザイン的に工夫した張り方としています。

キッチンのコンロとシンク前の壁は実用性を考えて無難なキッチンパネルとしていますが、カップボードの背面壁はインテリア的にアクセントにしたかったので、最近よくご提案している手焼き風タイルの「ルーメ」と「ルック」からアヴィオ(ルック)という薄いブルーのタイル(写真手前から3枚目と4枚目)を貼ることとしました。

キッチンカップボード裏のバックパネル壁のタイルも、寸法的に中途半端なサイズが入ってしまいそうでしたので、このイメージ画像のように縦と横を混ぜたデザインとしています。

タイルという素材に関しては、もう一つ大理石調大判タイルも使うことを検討しています。アークテック社が扱っているフィアンドレのセラミックタイルです。まずは国内在庫を確認したところ、カラカッタ・スタトゥアーリオのマット(艶無し)仕上げとカラカッタの磨き(艶あり)とマット、そしてブライト・オニキスの磨きがあることが分かりました。
打合せ室のキャビネットを設置する壁には、最もよく使っているスタトゥアーリオ柄のセラミックを張ることとして、セラミックの割りと張り方を検討しました。

そしてこちらが、トイレの壁に張るブライト・オニキスの割りです。アークテック社は責任施工でセラミックを張ってもらうこともできますが、今回は上記のマラッツィや本物の大理石を貼る部分もあるキダ・マーブルさんに施工をお願いすることになりました。

タイル絡みでもう一つ、玄関ホールの壁にインテリアズ社が扱っている加工大理石サルバトーリのトラッティです。サルバトーリもこれまで幾度もお客さまにご提案して、実際に採用してもらってきたものなので、どこに使うか色々と迷いましたが、お客さまが玄関入って最初に見える壁に張ることとしました。

こちらのベニヤ板張りの壁です。こちらは廊下側から見た様子です。右手奥が玄関扉で、壁の上にはLEDの間接照明、そして天井からはコートハンガー用のL字型に加工したステンレスパイプを入れています。

トラッティは加工大理石と金属目地だけで構成された壁用の素材です。大理石のサイズが3種類あって、張ったときに縦目地がずれていた方が美しいので、届いた材料を一度床に仮並べして、どのように張ると一番美しいかを、TAGKENの佐藤さんと栗原さん、弊社の竹田さんが調整してくれました。

デザイン的にはあまり凝ったことを考えていない事務室スペースは、収納量重視で考えています。窓際に設けるオープン棚と窓に取り付けるブランドのサイズを竹田さんと前田君が実測してくれています。