南青山の新事務所の工事レポートの第5弾では、造作家具の立ち上げ工程と、大判セラミックの施工の様子を中心に紹介します。

現場には造作家具の主要パーツが搬入され、いよいよ組み立てがスタート。
造作家具の調整作業は、個人的にも大好きな工程なので、ここからはほぼ毎日現場に寄らせてもらいました。

打ち合わせ室のこのベニヤ板張りの壁に本棚と建具が設置されます。

L字型に曲がっている変形の枠が、

袖壁に取り付けられました。

以前のブログでも紹介した、このスケッチに左側の変形枠です。

この枠の上下を見ると、ディテールの考え方が判るはずなのですが、ちょっと判り難いですね…。ただ、この枠の上下をどう納めるかで、家具と建具の一体感が決まってくるのです。細部(ディテール)に空間の神様が宿るのです。

あまり広くない打ち合わせ室内で、造作家具をお願いしてる
現代製作所のメンバーが揃って、材料を井桁に組んでから…、

皆で立ち上げて、台輪の上に設置して、隙間を調整します。

本棚と廊下から打ち合わせ室に入る建具枠と一体化された家具の完成です。

こちらは玄関のベンチの設置状況です。木下地に効くように桟木を打ってから、そこに甲板を載せると…、

2段式のベンチカウンターが組みあがりました。上の段は腰かけたり荷物を置くカウンターで、下段はスリッパ収納として使う予定です。

トイレの手洗いカウンターは既に下台が組みあがっており、そこに大理石甲板が載せられていました。

左側のこの個所にトール収納を設置します。

この箱が、そのトール収納なのですが、この中に
・打ち合わせ室に使うルートロン社の
ホームワークスの制御盤が内蔵される
・そのために、電気配線が集中し、
・盤から発生する熱を逃がすための工夫が必要となる
……という3つの理由で、箱に穴あけ加工をしています。

上部やサイドに穴あけ加工がされています。

壁から出ている電線を穴に通しながら、そのトール収納を設置します。

実はこの箱の中に、打ち合わせ室の照明やブラインドをコントロールするルートロン社のホームワークスの盤が入ってくるので、電気配線が集中してくることと、盤からの発熱を天井裏に逃がすための穴をあけているのです。

こちらがルートロンの盤が入った最終形のトール収納内部です。棚の手前には多少熱くなって問題が無さそうなタオルやトイレットペーパーを収納する予定です。

このトイレ内のキャビネットの奥には、途中変更で造作家具屋を困らせてしまったトイレットブラシ置き場もできています。白く見える箇所はステンレス板の養生です。

もう一つの造作家具、打ち合わせ室のカウンターは既に組みあがっていて、
キダマーブルの皆川さんたちが、大理石の甲板を載せているところでした。

大理石のカウンターを載せたら、壁の大判セラミック張りです。
アークテック社が扱っているイタリア産のセラミックの
フィアンドレのスタトゥリーオ柄です。

タイルの継ぎ目部分に刺さっている、黒とオレンジのモノは、タイルレベラー(あるいはタイルスペーサー)と呼ばれる道具で、①大判タイル・大判石材同士の段差(ラッピング)をなくす、②目地の隙間を一定に保つ、③接着剤が固まるまでタイル同士が動かないように固定するという機能を担ってくれる優れモノなのです。

同じように、フィアンドレの違う大理石柄のこちらの大判セラミックタイルを…、

トイレの壁に貼ってもらいました。
まだまだ面白い工程が続くので、もう少しお付き合いください。