コロニアルなイメージでインテリアをデザインしてきた六本木M邸では、モールディングとケーシング(装飾枠材)が重要なポイントになります。
正面左手のテレビを収納するマントルピース型ニッチと右奥のキッチン入り口周りに、まだ塗られていないケーシング枠が取り付けられました。
国内の装飾部材メーカーを色々と当ったのですが、カタログにある既製品ではどうしてもイメージが合わなかったので、ケーシング材とベースボード(巾木)は特注で作って貰うようにお願いしています。
こちらが特注の巾木材です。ランバー材に塗装しやすいようにシナ突板を張り、頂部だけは特殊な形に加工したスプルース無垢材を取り付けて貰っています。シンプルで厚みがあって、高さ(今回は15センチの高さです)がある巾木は既製品ではないのです。
こちらは既製品のモールディングです。手が届かない箇所なので、無理に特注材を使わず、既製品でサイズがあって、デザインイメージがあるものを探しました。これから、これらが取り付けられて、どのように空間に華やかさが加わってゆくか、とても楽しみです。
上記の記事の3日後の現場の様子です。ケーシングの取付けもほぼ終わり、塗装工事も入り始めています。
天井のAEP塗装と同じ塗料でケーシングを丁寧に塗って貰うことで、一体感が生まれてくるのです。
巾木材も事前に下塗りを済ませてから取り付けられ、再度仕上げ塗装をして行くことになります。FRP製や既成品は下塗りがされているので、取付け後に仕上げ塗装をすれば仕上がるのですが、特注で作って貰ったものは、1~2度の塗り重ねでは、どうしても下地の色が出てしまうので、このような下準備が必要になるのです。
ケーシング材と巾木の取り合いです。どちらも特注品なのですが、まだちょっと下地の色の影響で色味が違って見えるので、再度塗り重ねて色味を併せて貰うことになりました。
こちらは珍しいところで、廊下の突き当たりに設置する姿見の枠です。枠のデザインもケーシング材と合せたデザインとしています。その下に見えるのは、このマンションに元々付けてあった面巾木です。表情の違いは歴然ですね…。
テレビを収納するマントルピース型のケーシングも塗装が終わったようです。甲板のトラバーチンとのバランスもきれいに決まっています。
折り上げ天上にもモールディングが周りました。こちらも費用対効果でお施主様と一緒に悩んだ部分ですが、他の部分がシックに仕上がっても、天井がスッキリサッパリのモダンスタイルでは、雰囲気が纏まらないと思っていましたが、モールが周ることでしっくりしてきました。
こちらが天井モールディングのアップ写真です。まだ塗装されていませんが、これもきれいなものですが、やはり白で塗装して天井が一体化するようにしました。