麹町K邸の書斎部屋の造作本棚の組立て作業が始まりました。
まず最初の作業は、箱状に組み上がったものが幾箱も現場に運び入れられます。
ほぼ半日係りで、大量の箱状の本棚が現場に運び込まれました。といっても全ての箱が入ると組立て作業をするスペースが取れなくなってしまうので、約半分の箱が最初に運び込まれました。
床に打たれた墨のラインに沿って、家具を設置してゆきます。
ただ、その本棚の箱も、今回は継ぎ目を見せない特殊な造りでお願いしているので、組み立て方も特殊な方法となっています。
間近で見るとこのような造りになった出っ張り部分(竪の桟木は仮固定用のものです)と…、
このような凹み部分をはめ込んだり、
このような凹みに…、
この葉っぱのような部品を差し込んで、
組み立ててゆきます。
実はこの葉っぱのような部品もきちんとしたメーカーの製品で、Lamello(ラメロ)というスイスの会社の製品なのです。因みに、この葉っぱは木製ビスケットという製品名が付いています。
慎重な作業なので、組み立てはゆっくりと進んでいきます。この写真で職人さんが脚立に載って上を見ていますが、
天井はこのようになっています。一部壁がない場所に天井から本棚を吊り下げるデザインとなっているので、天井裏のコンクリート躯体にアンカーを打っています(アンカー打ち工事はマンションのリフォーム規約に則って行っております)。
この数日後には…、
本棚が書斎部屋に林立し始めています!
組み上がった本棚を大小様々な「クランプ」が締め付けています。「クランプ」とは機具などを他の物に固定するための、ねじのついたコの字形の金具。「締め具」ともいわれ、作業時に手を使わずに材料を安全確実に押さえる事ができる道具のことです。今回は先ほどの雄雌型や凹凸、木製ビスケットではめ込み接着した本棚同志が乾燥固定されるまで一時的に材料を押えておくのにも使用しています。
3つの本棚分を纏めるクランプは、途中に木材を挟み込んで大きく締め付けており、同時に真ん中の本棚の左右は中型サイズのクランプで固定していますね。
約60センチの通路幅を挟んで、本棚が文字通り林立しています。天井の石膏ボードが剥がされ、天井と本棚がクランプで固定されているのも判りますね。
書斎部屋の入り口にあたるエントランスホールには、すでに奥行が違う本棚が梁型を避けながら、かっちりと取り付けられていました。
その反対側で、引き戸と引き込むカウンター付きの収納棚も設置されています。