Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

仙石山レジデンスリフォームのビフォーアフター

仙石山T邸

アークヒルズ仙石山レジデンスT邸のリフォーム工事が完了し、リフォーム前とほぼ同じアングルで撮影してビフォーアフターを比較できる写真のセットを作りました。

仙石山レジデンスリフォーム_ビフォーアフター

リビングダイニングキッチンのビフォー&アフターです。まずはクローズド型だったキッチンをレイアウトから変更して、オープンキッチンにリフォームしたことが一番の違いです。

仙石山レジデンスリフォーム_ビフォーアフター

リビングの奥から見比べた、こちらのアングルの比較写真の方が、キッチンがオープンになったことで、どれだけ空間としての広がりが変わったかが分かりやすいかも知れませんね。さりげなく、天井の折り上げ部分に突板を張ったことも、空間の雰囲気をグレードアップするのに役立っていると思っています。

仙石山レジデンスリフォーム_ビフォーアフター

キッチンを同じアングルからの写真で見比べると、レイアウトが全く変わっています。以前はL字型のキッチンでしたが、それをリフォームで「ニ」の字型に変えています。ただ、ガスコンロやオーブン、レンジフードといった設備類は、以前の物を再利用しています。

仙石山レジデンスリフォーム_ビフォーアフター

リフォーム前は不思議な壁紙仕上げだったリビングの突き当りの壁を大理石張りに変えたことも、大きな変化ですね。大理石壁の光沢が映えるように、下がり天井部分にもダウンライトを幾つか追加しています。また、大理石のグレードに合わせて、もう一枚の壁をウォールナットの羽目板張りとしています。

仙石山レジデンスリフォーム_ビフォーアフター

実はこのウォールナットの羽目板壁は、廊下に作った本棚兼飾り棚の側面が伸びたような造りとなっており、この木製壁の後ろにも隠し部屋があるかのような錯覚をもたらしています。単なる移動空間の役割しかなかった廊下を、キッチンをオープンにしたことと、飾り棚を作ったことで、LDKの一部として取り込むことができました。

仙石山レジデンスリフォーム_ビフォーアフター

LDKと同等、いやそれ以上に劇的に変わったのが、こちらの玄関ホールかも知れません。以前は、左手にある玄関扉から入ってくると、正面に無味乾燥な白い壁があり、シックな共用廊下から随分グレードダウンされた空間に入ってきたかのような気持ちになっていました。リフォームで、正面壁を大理石張りに床を大理石調タイルに変え、それらを印象的な照明でテラスことで、2段も3段も玄関空間が格上げされたのではないでしょうか。
写真正面の壁もビニールクロスのデザインパネル張りとして、その左側の収納も以前の物にクロスと同色のダイノックシートを張っったことで、違和感のないデザインにすることに成功しています。

仙石山レジデンスリフォーム_ビフォーアフター

玄関ホールを逆向きに見たアングルの写真でsも、壁と床の素材感が生きていることが判るかと思います。収納量もアップさせながら、来客用トイレの扉を目立たせなくするデザインとしています。

仙石山レジデンスリフォーム_ビフォーアフター

最後のビフォーアフターの写真は、浴室壁です。以前は、白いタイルが4面に張られ、青白い光温度の高い照明で照らされていた(なぜか間接照明だけは電球色でしたが)空間でしたが、タイルの上に張ります出来る薄型(3ミリ厚さ)のタイルをアクセントに張り、全般照明も間接照明も色温度を合わせて、ゆっくり落ち着く空間へとリフォームすることができました。

以降は、リフォーム後の竣工写真です。

仙石山レジデンスリフォーム

先ほどビフォーアフターで説明した、本棚とウォールナット壁が一体化している様子が分かりやすい写真です。正面大理石壁に向かって右側の袖壁を鏡張りにしたことで、不思議な奥行き感が生じています。

仙石山レジデンスリフォーム

いや、こちらの写真の方が分かりやすいですね…。このようなデザインは、図面に書くのは簡単ですが、実際に作るのは相当大変なものなので、手練れのリフォーム会社や造作家具屋でないとうまくできないと思いますので、注意が必要です(笑)。
玄関廊下側からの扉をガラス扉にしたり、キッチンの袖壁の小口をステンレス張りにしたことも、キラッと華やかな印象に変わった小さな要因だと思っています。

仙石山レジデンスリフォーム

逆向きに、玄関廊下側から見た飾り棚のある廊下部分です。右側は玄関正面からの大理石が回り込んでいます。

仙石山レジデンスリフォーム

キッチンと廊下とLDKが一体化して、以前よりLDが1.5倍ほど広くなった印象です。キッチンのガスコンロ前の壁はカラーガラス張りとしています。因みにガスコンロの前に普通のカラーガラスを張るのはあまりお勧めできないので、強化ガラスのカラーガラスとしています。本当はガスコンロ前だけでも良いのですが、強化ガラスと普通ガラスのカラーガラスでは色違いが生じてしまうので、今回は統一しています。

仙石山レジデンスリフォーム

ダイニングからキッチンを見返したアングルです。キッチンの左側にある壁部分は、マンションの構造柱でどうすることもできなかった部分ですが、正面と横面には、マット仕様のカラーガラス(マテラック)を張って、透明感を演出しています。飾り棚と壁面の木は、ウォールナットの突板ですが、キッチンの吊戸と折り上げ天井内は、レオというちょっとチークっぽく、それでいながらちょっと荒れた雰囲気の突板を使っています(天井の突板張りは不燃材で、ニッシンイクス社のリアルパネルのレオラスティックを使っています)。

仙石山レジデンスリフォーム

玄関の壁大理石張りも、高さサイズを細かく変えて、本磨き(鏡面仕上げ)と水磨き(マット仕上げ)を細かく指定した、面倒な張り方となっています。

仙石山レジデンスリフォーム

共用廊下から玄関入って正面に見えてくる壁のデザインがこちらです。壁を斜めにして、ウォールナットの突板でカウンターを作ったニッチのデザインが効いていますね!因みに、このニッチデザインはお施主様がデザイン画を作って下さったものでした。