港区白金台の現代美術コレクターのためのマンションリフォームの事例を紹介いたします。間取りの変更ポイントは、使われなくなった子ども部屋をリビングと合わせて大きな空間を作るというリフォームでした。
デザイン上、一番難しい問題は現代美術・アート作品の飾り方でした。昔の絵画と違って、新しい美術作品は、彫刻と絵画の中間のようなものあり、ただ白い壁を用意すれば良い訳ではありません。
そこで参考にしたのが日本古来の住宅にあった床の間です。床の間には掛け軸も飾れば、床板にはお茶碗や季節のものを置きます。こんな便利な装飾用のスペースのアイデアですから、今回のリフォームに取り入れてみました。普通の床の間では、狭く、日本風インテリアになってしまいますので、ここでは思いっきり幅を広くし、奥の壁も周りと同じと総仕上げとしました。ただ、床の間を意識させるように、床板と天井に少しを段差を付けて、枠取り(フレーミング)したような形になりました。
ちょうど便利な事に、このマンションは普通のコンクリートラーメン造(柱と梁で構成される構造)だったので、柱を枠と見立てて見ると、それまでは大きく存在していた柱型が、上手くインテリアの中に消えてゆきました。お客さまはこの現代版床の間がいたく気に入ってくださったようで、「普通の住宅では飾れないようなアートが、いろいろなスタイルで飾れる」と喜んでくださっています。
因みに、こちらが工事前の同じリビングの様子です(というか工事で解体中ですね…)。
訪ねる度に飾っているアートが変わっているので、遊びに伺うのがいつも楽しみです。改装前を知っているお客さんがいらした時に、「壁を凹ませたの?」と聞かれたこともあったそうです!詳しくは…白金台K邸をご覧下さい。