今回のマンションリフォームでは、各部屋毎に特別な性格(キャラクター)を持たせています。そしてこの書斎の特徴は、壁仕上げの赤色となりました。といってもただの赤色ではありません。英国製塗料「Farrow & Ball(フォロー・アンド・ボール)」のピクチャー・ギャラリー・レッドという色を使っています。
塗料の色番の名前からも判ると思いますが、実はこの赤はクラシカルなギャラリーや美術館で使われる色なのです。照明によって赤にも赤茶にも見え、床のローズウッドのヘリンボーン張りフローリングやチーク製の家具とも良くあっています。そして不思議なのですが、とても落ち着く色なのです。
また、この印象的な赤色がベタッと見えないように、塗る前に壁下地用クロスを張っています。日本では、ルナファーザー社の製品が有名ですが、パターンが画一的なので、今回はイギリスのAnaglypta(アナグリプタ社)のStarling RD5002という壁紙を採用しました。写真のような特殊なパターンの凹凸が、微妙な陰影を生んでくれるのです。
この書斎は所謂普通の書斎ではなく、絵画のギャラリーでもあり、お施主様が趣味でコレクションしているDVDの書庫にもなっています。写真の造作家具は’特注オーダー品で、ウォールナット突板仕上げのDVDラックとなっています。内部に間接照明を入れ込んでいるので、DVDのタイトルが格子戸の外からでも確認できるようになっています。
全体の様子は高輪M邸をご覧ください。