引き戸を作るときは、なるべく壁の隙間のポケットに入り込む形の引き込み戸で作るようにしていますが、いつも工夫しているのが取っ手の形状と素材です。既製品では、取付け方法や色味のコントロールが難しいので、鉄を加工して貰った特注の取っ手をオーダーで作って貰っています。
こちらは、造作家具に揃えて、突板に同じ染色をして貰った建具です。ここでの特注取っ手は、いつもよりサイズを大きくして、染色の色に合わせて焼き付け塗装をして貰いました。取っ手のサイズに合わせて、建具にも横目地を入れて貰っています。
黒染色の突板で作って貰った建具では、ステンレスのバイブレーション仕上げ(方向をわざと乱して研磨した仕上げ)の取っ手も作って貰いました。焼き付け塗装をしないと、溶接跡を隠すことができないので、試作品を作って貰って研究した成果です。
余談になりますが、これらが以前から試作として作って貰った特注取っ手です。一番左で木材に組み込まれたものが通常の焼き付け特注取っ手で、その左からバイブレーション仕上げ、ヘアライン仕上げ、ステンレス鏡面仕上げのものです。
造作家具と建具の8割方をお願いしている現代製作所の藤田さんと取っ手試作品を見ながらの打ち合わせ時の様子です。
右下のスケッチが、試作品を作るうえでこちら側でお願いしたイメージ図です。いつかは、鏡面仕上げの取っ手も、どこかのプロジェクトで使ってみたいと思っています。