スケルトン状態からご相談が始まった千代田区M邸ですが、奥さまが強い興味を持っていらっしゃるキッチンのイメージを掴むために、いくつかのキッチンショールームを巡りました。
最初に選んだのは、現在お住いのお宅で使っているキッチンがブルトハウプで、頑丈で長持ちなところがお好きだとのことで、南青山のブルトハウプショールームにご一緒しました。
ご自宅のブルトハウプは、まだTOTOがブルトハウプのライセンス販売をしていた20年近く前に入れたものだったとのことで、青山のショールームはその頃のデザインとは一味違っており、随分進化したものだと驚いていらっしゃいました。
理系で、何事も理詰めで考えるご主人さまはドイツ製キッチンの合理的な作りやにはとても感心していらっしゃいました。
日本のブルトハウプは、オーダーキッチン会社でもあり、かつ石材の取り扱い会社でもあるクライス&カンパニーがライセンス販売をしているので、所々に大胆に大理石を使っていました。
理論よりも感性に素直な奥さまは、実は天然石が大好きだということで、途中からキッチンのこと以上に大理石の壁や買うウンター材に反応なさって、話が盛り上がりました。
幾つかの天然石のサンプルを見せて頂きましたが、本社であるクライス&カンパニーが汐留で展開しているショールームには、天然大理石のショールームとイタリア製高級キッチンのミノッティクチーネのショールームがあるとのことで、次回はそちらに伺うことになりました。
ブルトハウプの次には、近くのトーヨーキッチンショールーム伺いました。以前、こちらにMさまご夫妻で伺った際に、気に入ったタイルがあったとのことで、それをご一緒に拝見させて頂きました。
それがこの床に張ってある黒いモザイクタイルとのことでした。
トーヨーキッチンはそこそこに、またお近くのインテリアズのショールームにて、ボッフィのキッチンを幾つか拝見させて頂きました。
こちらのキッチンのカウンターとシンクは同じく、石英石の素材だそうです。一般にキッチンカウンターのように水や酸性の液体(レモン果汁など)がかかる部分に大理石を使うとどんなに撥水加工をしておいてもどこかの時点からシミが出来てしまうので、水に強い御影石を使うことが多いのが天然石カウンターの実情です。ただ、この石英石(写真のコスミックブラック)は大理石のような流れ模様がありながら水に強い特性を持っており、(価格は高いですが)安心してカウンター材に使える優れた素材なのです。
インテリアズで取り扱っているサルバトーリの加工大理石板をキッチンの扉に使ったキッチンもありました。
こちらのキッチンはシンプルな作りですが、吊り戸がオープン棚とガラス扉付きになっていますが、ガラス扉のディテールが非常に繊細できれいな仕上がりとなっています。
天然石が大好きだという奥さまには、サルバトーリの加工大理石パネルの見て頂きました。
そして、以下はその翌週です…。
お約束通り、汐留のミノッティクチーネショールームにご一緒致しました。
天然大理石をふんだんに使ったキッチン事例です。
シンクも同じ材料で、きれいに加工されて彫り込まれています。
と言っても塊の大理石から彫り込まれている訳ではないので、どの部分が接着されているかを担当スタッフの前田君が奥さまに丁寧に説明してくれました。
カウンターがメインで、背面の収納は大量の食器等を隠して収納できるシステムとなっていました。
ショールームには、もう一つポルフィドとい斑岩(ハンガン)をカウンターと壁素材に作ったキッチンもありました。外部の石畳にも使える天然石なので、当然水回りのキッチンにも使える仕様となっています。
他にも珍しく、クライス&カンパニーでしか扱っていない石材も色々と見せて貰いました。
石材が大好きな奥さまは面白い天然石を見つける度に、どこかで使えないかと頭を悩ませていらっしゃいました。
興奮冷めやらぬ中でしたが、帰りには大門にある欧州からの高級輸入フローリング材を扱うADワールドのショールームに寄りました。
リストネジョルダーノ(イタリア)のユニークな形状の超高級フローリング材や、フィンランドの高品質フローリングブランドのノルドの材を見比べて頂きました。
他にも突板をファブリックのように染色したタブー(イタリア)の素材も見て頂きました。
どれも見たことのない素材だと喜んで下さいましたが、お二人の好みはノルドのようでした。
二日間に渡るキッチンと素材・建材ショールーム巡りで、お二人の好みが少しずつ分かって参りました。そのテイストを踏まえながら、新しい提案を次週以降にさせて頂くことになりました。