先日のリネアタラーラのショールーム訪問で、千代田区のMさまが気に入ったデザインのキッチンですが、売却済みで北海道に持っていかれてしまうとのことだったので、リネアの担当の牧野さんの了承を得たうえで、素材とディテールの研究に再訪させて貰いました。
こちらのキッチンですが、まずは特徴としては節ありのオーク材を大胆に使いながら、周囲にステンレスのフレームを廻したり、ガラス扉を極細のフレームで作ったりと、大胆さと繊細さが同居していることでしょうか。
サイドと上部を囲っているステンレスは、曲げ物を加工したもので、扉のフレームより細くつられていました。
良く見ると、サイドと上部だけでなく、下部にもステンレスヘアラインのフレームが回っていました。ステンレスヘアライン仕上げの金物部分は見付12ミリで、ガラス扉のフレームは見付20ミリでした。下部のステンレスは軽く床から浮かされていますね。
極細のガラス扉にはギリギリサイズのスライド丁番が埋め込まれています。木製だとこの作りだと歪んでしまうので、実は扉のフレームはステンレスで作られており、扉と似た柄のオーク材の突板(正面は厚突きで他は薄突き?)を貼り回しているいるとのことでした。
ガラス扉の取っ手はこのような形状で、無垢材を取り付けているようです。間近で見ると使われているオークの色味が違っていますが、引いて全体を見ると見事に調和がとれていました。
端部が少し凹んでいるのは、扉を開いたときにフレームとぶつからない為の配慮でした。
一部のガラス扉はアルミフレーム仕様でしたが、こちらは極小のエアヒンジ(ハーフェレ)が使われていました。
アイランドカウンター側のディテールです。引き出しとオープン棚の間に5ミリ厚のステンレスヘアライン仕上げの無垢材の板が挟まれていました。
Mさまご夫妻にももう一度来てもらい、最終確認をして頂きました。
素材、色味とディテールは同じもので作りますが、サイズや構成、どこにガラス扉をつけるか等は、僕らが素案で作ってきた図面と調整してゆきます。担当の牧野さんも適切なアドバイスをしてくれます。
こちらが当日の打ち合わせの内容から前田君が纏めてくれたキッチンレイアウト案です。
お嫁に行く(笑)前の最後のキッチンの雄姿を名残惜しそうに愛でているMさまご夫妻の横で、弊社スタッフの前田君がタンタンと調査測量をしていました。