千代田区M邸の現場では、遮音床下地とフローリング張りが始まっています。
まずモルタル仕上げの床スラブにクッション材付きの遮音下地を張ってゆきます。
今回は天井の高さがそれほど高くなく、置床システムを使うことは避けたかったので、このサイレントトライマット(特殊建販)を使っています。厚さ22ミリで防音性能ΔLL(1)-4(旧LL-45相当)をクリアする製品です。
サイレントトライマットの上には、フローリングを張ることができないので、12ミリのベニヤ板を上から増し張りします。
玄関前の廊下部分では、遮音下地材張りとベニヤ板張りが追いかけっこのようになっていました…。因みに、ベニヤ板の上にはガス式の床暖房マットが張られ、床暖房がない部分は隙間を埋めるダミーベニヤが張られます。
そして、ベニヤ板張りが終わったところから、フローリング張りが始まっています。ベニヤ板に赤いペンと黒いペンで記号や線が描かれていますが、それらはベニヤ板の下に床暖房が仕込まれているエリアを示しています。
フローリングはサネのオスとメスが刻まれており、それらをはめ込むように張ってゆきますが、冬と夏の湿度と温度差でフローリング材が伸び縮みするので、間に紙一枚を挟んで隙間寸法(約0.2ミリ)を調整してゆきます。
フローリング屋さんが持っていた隙間用の紙片です。因みにこちらで採用した床フローリング材は、フィンランド産のノルド(ADワールド社)のTHAR(ター)という製品を使っています。
ターはノルドシリーズの中でも、ヴンテージというジャンルのフローリングで、大きな節、割れをグレーのパテ埋めで意匠的に活かしたラスティックな仕上げとなっています。
フローリング張りは、エアコンプレッサーで動くフロアタッカー(大型ホチキス?)とゴム製のハンマーを使って張ってゆきます。
翌日に現場に寄った際には、LDKを含めてほぼ全ての床フローリングが張り終わっていました。よく見ると、床フローリングに2カ所孔が空いていますが…、
これらは床付けコンセント用の穴です。家具レイアウトを考えて、ダイニングテーブルとソファーの下に隠れる部分に床暖房マットに隙間を設けて、配線を仕込んでいました。
まだ、壁も天井も骨組みの状態ですが、床だけでも仕上がってくると、住宅感が生じるのが不思議ですね。
フローリング屋さんの横では、大工さんが何やら金物を取り付けていました。
A4サイズ程度のベニヤ板にこの金物を取り付けると…、
このような部品が出来上がります。
これは壁補強用の下地材なのです。こちらはキッチン部分の壁下地ですが、棚板やカウンターを取り付ける高さに合わせて、補強用下地が設置されています。壁をベニヤ板一枚分フカす(増し張りして壁の厚みを増す)のであれば簡単なのですが…。
図面では、展開図に四角いエリアを指定して、壁補強下地と描くだけですが、実際には大工さんがこれだけ手間を掛けて下地補強をしてくれているのを知ると、頭が下がるばかりです。
廊下からLDに入る間口と、LDからゲストルームへの間口部分には何やら取り消られています。
特注でお願いしているスチールサッシが取り付けられていました。
こちらはスチール製のFIX袖扉と引き戸を吊り込むレールの構成になっています。
窓枠にも先日搬入されていた、木製のセミオープンポア仕上げ(木目を半分残した塗装仕上げ)の枠材が取り付けられています。
また、浴室の扉枠周りには、防水処理がされていました。黒いテープ張りのように見える箇所が防水部分となります。