大型マンションや高級マンション、タワーマンションの壁下地は、石膏ボードとLGS(ライト・ゲージド・スティール(通称:ルジーエスまたは軽量鉄骨を略して軽天(ケイテン)))が使われていることがほとんどです。
この写真の正面で銀色に光っているサクのようなもの、そして写真右側に積まれているものがそのLGSです。
端部から見ると中空になった柱のようなものが、そのエルジーエスです。ヴィンテージマンションなどでは木製下地を使っていましたが、木下地と比べるとLGSは材料が軽く、耐火性でも優れ、乾燥湿気にも強く(木材は乾燥で痩せて、ボードの罅割れの原因になる)、何よりも組み立てるスピードが速いことから、多用されています。こちらのように、天井高さのある搬入用エレベーターがある高層マンションとなると、長物を入れることができるので、特にスピードアップが図れるのです。
基本はランナーと呼ばれるコの字型の材料を墨出しに従って床スラブと天井スラブに打ち付け、その隙間にスタッドと呼ばれる角型LGSを30センチピッチで入れていきます。
壁だけでなく、天井や梁型などにも使える便利な建材です。
こちらは大きなリビングダイニングキッチンスペースのキッチン部分の下がり天井の下地です。見えにくいですが、レンジフードのダクトが中に入ってきています。また、まだ既存のエアコンがスラブに吊られた状態ですが、これも順次おろしてゆく予定とのことでした。
LGS工事と同時に設備配管工事も進んでいます。灰色の管が排水管、水色のチューブが給水管、ピンクのチューブが温水管、緑色のチューブが床暖房や追い炊き用のペアチューブ(行って来いの配管2本がセットになったもの)です。
工事が始まってからの打ち合わせで、急遽レイアウトが大きく変わったユーティリティースペースの配管も無事変更が間に合ったようです。
因みに、このユーティリティースペースは当初は洗濯機とスロップシンク(靴などを洗える大型掃除用の流し(シンク))だけを配置する小型のスペースでしたが…、
隣の物置と合体して、浴室暖房乾燥機を入れた洗濯物専用の乾燥庫付きのスペースとなり…、
SK(スロップシンク)を無くす代わりに、サウナの水風呂用の製氷機(以前はキッチンに組み込んでいました)をユーティリティーに入れることが決まりました。工事が始まってからの変更で、配管工事も進んでいましたが、プレステージプランニング設計の松永さんと現場監督の森川さんと設計の松永さんに頑張って貰い、何とか変更が間に合いました。
浴室、洗面、サウナの下地工事も進んでいます。
先日現場に寄った際には、サウナの天井裏に給水のヘッダーが設置されており、そのままだとサウナの天井に点検口をつけることになってしまうので、移動を頼んでおいたところ、きちんと洗面側に移動されているのも確認致しました。
ワークスペースとリビングの間仕切り壁は、本格的なものではありませんが、簡易的な遮音仕様としているので…、
このようにLGS壁下地の間に断熱材として使うグラスウール材を充填して貰い、中空で太鼓のように音が響くことを回避して貰っています(本格的な遮音壁仕様にすると、壁の厚みも増えて工事金額もそれなりに高くなります)。
大きなLDKの天井部分はまだLGSが組まれていませんが、カーブした折り上げ天井がどのように組まれてゆくか楽しみです。
現場と同時に、グラフチャーの大内さんにお願いしている造作家具の打ち合わせも進めています。
特にリビングのテレビを納めた大型壁面造作家具はデザイン的な見せ場となるので、細かい部分までチェックして、どのように作るかを検討して貰っています。
今回はオーダーユニットバスは、ジャクソンの浴槽が得意なヴェルデにお願いしています。ヴェルデは軽井沢が本拠地の会社ですが、軽井沢の高級別荘用のユニットだけでなく、都内の高級マンションへの納入実績も豊富なので、今回お願いしております。