Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

大型ブラックキッチンの組立て―2

渋谷R邸

大型でスタイリッシュで、そして何よりブラックで生活感を感じさせないブラックキッチンの組立てブログの第2弾です。

先回の組立て時より、背面のトール収納が7割方組み上がっている段階からのスタートです。よく見ると、アイランドカウンターの天板にも黒基調の大判セラミックタイルがすでに張られています。

カウンタートップだけでなく、実は両サイド面にもセラミックタイルが張られており、この日は一番の大物のアイランドカウンター正面のタイル張りです。スペイン産大判セラミックタイル・ネオリスLAYLA(ライラ)という柄の艶ナシのスレート調仕上げで、この時に選んだものです。

既に現場に運び込まれていた大判タイルをまずは仮設置してみます。

カウンターの上端部を下から見上げたタイル詳細ですが、サイド面もカウンター面も45度に端部処理がなされています。ということは、本日取り付ける大判タイルも端部がトメ加工(お互いを45度にカットして、接着面をみせない仕上げ)になっているということです。硬質なセラミックタイルですが、間違えてぶつけてしまうと、この小口面に欠けが生じてしまうので、慎重な作業が必要です。

セラミック自体も少し孕んでいることがありますが、とにかく接着面がフラットであることが重要なので、仮設置後にキッチンの施工をお願いしているアルノの鵜飼社長が微調整をしてくれています。

させ、いよいよ接着作業とのこと、2液型の接着剤で点張りにするのではなく、多少後で調整ができる一液型の接着剤をベタ塗りすることになりました。因みに、今回のタイル張りの作業には、ネオリスの販売元であるTAKAOの高尾社長がピカ一の腕を持っているとのことで、わざわざ仙台からタイル張り職人さん二人を呼び寄せてくれています。

接着剤は多すぎると乾きにくくなりますし、少ないと接着が不十分になるので、急ぎながらもきれいに薄塗りしていきます。

タイル面の裏側にも同様に接着剤を塗布します。

接着作業ですが、大判セラミックは、二人の職人さんがいれば軽々と(というほど軽くはありませんが、本物の石材に比べればです)持ち上げて、ペタっと張ります。

ここからの微調整が実に大変なのです。2方向のトメのコーナー全てがピタリと合うように吸盤を使って調整していくのです。

トメの接着具合がこのレベルまで出来たら…、

次のセラミック張りの準備です。と言っても、ここでも仮設置をしてみて、最初の一枚との召合せ(めしあわせ)部分がうまく行くかを見てからの慎重な作業となります。

2枚ともが張り上がった所で、端部のパテ埋め作業となります。

濃い灰色でちょっとムラがある大判セラミックなので、黒と白のパテを良い具合に混ぜてから埋めてゆくのです。

養生テープでトメ加工の端部以外をマスキングしたうえで、素早くパテ埋めをして、乾いた所で削り取って完成とのことでした。正味2時間ほどの緊張が連続する時間でしたが、何とか上手く作業が終わりました!

こちらが見えてきたブラックキッチンのほぼ全容です。この数日後に…、

背面収納に三カ所オープンな個所がありますが、ここにリープフェルのビルトインの冷蔵庫と冷凍庫とワインセラーが入りました。

ワインセラーだけはガラス扉に、他の背面収納と同じ塗装仕様の框をつけて、

このように仕上がりました!ここまで大規模にビルトイン機器を入れることは、カガミ建築計画でも珍しいので、興奮します!

左から冷凍庫、中央が冷蔵庫で、右側がワインセラーとなります。ビルトイン機器類の取付けは、アルノ以外でも色々なオーダーキッチン屋さんがお世話になっている、マッチの小林さんが頑張ってくれました。
因みに、ワインセラーの隣の扉の取っ手は…、

冷蔵庫などと合わせた取っ手のデザインながら、引き込めるようにこのような特注で作って貰いました。