Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

解体工事中に確認すべき事柄について

新宿区T邸

お客さまのTさまご夫妻、施工会社・の片岡社長と現場担当の樋口さん、カガミ建築計画の設計担当の岸本さんと前田君、そして僕、各務が揃っての工事契約を済ませた新宿T邸、いよいよ解体工事から茶工となります。

まずは恒例(?)の記念撮影から。そしてわざわざ契約のために仮住まいから、来てくださっていたお客さまが帰られた後は…、

リノベーション工事後のビフォーアフターのための写真を撮影しておきます。

そして、ここからはそのちょうど2か月後の様子です。解体に際しては、まず最初に電気屋さんが来てエアコンや照明機器、インターフォンやコンセントなどの電気設備類を外していきます。電気屋のムラデンの担当は久しぶりに井上さんです。この部屋のこのアングルの写真だけを見ると、解体工事はあまり進んでいないように見えますが…、

同じ部屋の90度回転したアングルの写真ではここまで解体が迫っており…、

壁裏のプライベートルーム周辺はここまで解体が進んでいるのです!

天井裏に隠されていたダクト類も全てあらわになっています。

この写真でちょうど解体しているエリアが元の浴室や洗面所のエリアです。

ほぼ同じアングルのからの1時間後の様子です。天井裏の設備以外は、床も壁もLGS下地もほぼ解体されています。このエリアだけ先行して解体してもらったのには、実は訳があるのです。

オーダーユニットバスをお願いしてるヴェルデの立花さんの現地調査がこの日だったのです。

青の樋口さんが纏めてくれた大判の施工図とヴェルデのユニットバス図を比べながら…、

細かい寸法を実測しながら、床レベルの設定や排水ルートの確認、壁位置を確定していきます。

この作業のうち、一番面倒なのが排水勾配から床レベルを導き出すところです。立花さんだけでなく、ベテランのオーダーユニットパンの製作会社の方も応援に来て、洗面所の床とほぼフラットにできることを確認してくれました。

その後は、樋口さんと補助の池田さん、弊社設計担当の岸本さんと前田君と、現場定例打ち合わせに移っていきます。

工務店の青でも、会社設立の時から参画していた樋口さんは、とにかく事前に問題点を把握してタイミングよく質問してくれるので、前田君との相性も良く、岸本さんもとても勉強になっているようです。

皆が定例打合せをしている間に、気になった個所を僕、各務が撮影して回ります。この東京駅の路線図のような景色(笑)は、床下の給排水+電気の配管です。青が給水管、赤が給湯管、緑が床暖房やお風呂の自動給湯用ペアチューブ管、オレンジが電気配線用CD管で、太い灰色の管が排水管です。

写真左側の壁の裏、バルコニーに2台の給湯器がありますが、太い給水管が2本、赤と緑とオレンジ色の管が集まっているのが分かりますね。

部屋の中央に一つ残された小さな電話ブースのようなものは…、

以前の奥の部屋にあったシャワーブースです。新しく作り直すと、数百万円するシロモノなので、当初の設計では何とか残して再利用をと考えていましたが、このエリアにキッチンが来ることになったので、泣く泣く撤去することになっています。

解体時に確認しておくべきことの一つが、天井裏に隠されていた梁の貫通孔のサイズと位置です。この梁は奥に来るのがユーティリティーで天井高さもある程度下げる想定なので、それほど重要ではありませんが…、

このシャワーブースの上の梁はとても重要なのです。この梁の奥に新しいキッチンが来るので、レンジフードからの給排気をどのルートで通すのかを検討するうえで、最重要資料となるのです。今回はマンションの新築時の竣工図に梁のスリーブ(梁に事前に空けられた穴)の記載がありましたが、早い時点であまり信頼できないことが分かっていたので、特に重要なのです。結論から先に言うと、一番望ましい位置に大きなスリーブが空いていたので、レンジフードの給排気を天井を下げることなくうまく回すことができそうです。一応、スリーブが不足していた場合には、キッチンとダイニングの天井を一部下げてダクトを通すルートも想定していましたが、その必要がなくなりました。