Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

スケルトンで分かった2種類のコンクリート天井仕様と墨出し確認

新宿区T邸

新宿区K邸の解体が終わったとのこと、現場定例打ち合わせに行って参りました。

マンション最上階のペントハウスで、天井高が高く、小さな体育館のようなガランドウの空間になっていました。

施工をお願いしているの現場担当の樋口さんから、天井のコンクリートがプレキャスト仕様になっていることを教えて貰いました。

そう言われて天井のコンクリート躯体を見ると、確かに現場打ちのコンクリートでは出せない滑らかな仕上げと精度が出ていることが分かります。

そして、また樋口さんから一か所だけ大梁を超えたこちらの箇所だけは現場打ちのコンクリートになっていることを教えて貰いました。コンクリートの表情が違うので、良く見るとわかりますが、ずっと現場に常駐して細かいところまで観察しながら施工図を描いてくれている樋口さんからの指摘に感謝です。
というのは、プレキャストコンクリートでは、後施工でアンカーを打つことはお勧めできないので、新しく建てるLGS下地やエアコンや設備類を天井スラブから吊る方法が変わってくるのです。こちらのマンションでは管理規約に躯体へのアンカー打ちを禁止する条項が無かったので、当初は全てにアンカー打ちをする予定でした。ただ、規約にないからと言ってプレキャストコンクリートに後打ちアンカーは容易に打てないので、代替えの工法を検討することになりました。

こちらは現場側が用意してくれた大判の図面で壁位置について確認している様子です。

輸入物のウォークインクローゼットが入る箇所などは壁内の有効寸法が決まっていますが、玄関や廊下などは現場の状況に応じて寸法を調整する調整代(チョウセイシロ)を用意していたので、現場での測量寸法に応じて微調整させて貰いました。

床スラブに、樋口さんと現場補助の池田さんが出してくれた墨出し線です。

スケルトンにすると、新築当時(約18年前)の墨出しがされており、混乱してしまうので、墨の色を変えてくれています。緑の線とブルーのマーカーが新しい墨となっています。因みに、普通のマンションリフォームの現場では、床スラブはここまできれいに清掃されていません。青では墨出しする前に簡易的な清掃をするだけでなく、床スラブを水をつけたモップで清掃してくれるので、ここまできれいなのです!

先回の現場打合せで実測してもらっていた水回りのエリアもすっかりきれいになっています。右側には壁下地となるとLGS(軽量鉄骨)が積まれていますが、これは既存を解体する際にきれいに取ることができたLGSを再利用するために保管してもらっているものです。仕上がりで天井高さが3メートルある現場ですので、床スラブから天井スラブまでを届かせる長物(ナガモノ)のLGSはエレベーターでは搬入できないことが分かっていたので(階段での搬入は可能ですが、階数がかなりあるのです…)、解体時からなるべくきれいに取り外してもらうように依頼しておいたものです。

水回りとの床スラブ段差付近の排水ルートの打ち合わせもさせて貰いました。

雑排水と汚水は合流式になっているので、キッチン以外の排水はどこに繋いでもよいのですが、結局は元の通りに雑排水と汚水をつなぐことに決まりました。

こちらは新しユーティリティーを設ける箇所の壁貫通口の確認です。

内側から見るとこのサイズの四角い貫通口が2か所空いています。

こちらが外壁側からの貫通口です。給水給湯管、床暖房や追い炊き用のペアチューブが多数通りますが、それらを整理することで、ガス乾燥機の乾太くんの排気スペースを確保することができることを再確認することができました。