Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

照明スイッチ&コンセント位置の現場確認

新宿区T邸

新宿区T邸の現場にてお客さまご夫妻と一緒に照明スイッチとコンセントの位置を確認させて頂きました。

照明器具_スイッチ_コンセント位置の現場確認

スイッチとコンセントの位置確認を現場で行うには、以下のような条件が整っていないとうまく出来ません。

  • LGS下地や木製下地で壁や天井の大枠が組みあがっていること(その前の段階だと部屋の実感が湧かないので、お客さまに空間を理解して頂くのが難しいのです)
  • 電気工事で荒配線が終わっていること(こちらが当初に設計した図面に基づいて、凡その位置に配線がされており、配線できない部分も確認ができている必要があるのです)
  • 石膏ボードや下地のベニヤ板を張る前のタイミングであること(ボード類を張る前であれば、お客さまとの打ち合わせでスイッチ&コンセントの位置移動は楽ですが、ボードを張ってしまった後だとやり直しが大変になってしまうのです)
  • 床下地がほぼ組みあがっていること(お客さまと一緒に現場を歩き回る際に安全性が確保されている必要があるのです)
照明器具_スイッチ_コンセント位置の現場確認

実はこのタイミングを現場と見計らって、お忙しいお客さまのご都合と合わせるのが中々大変なのです。

今回は日程調整がうまくいき、Tさまご夫妻と一緒にお家の中を歩きながら、どこで照明スイッチをオンにして、どのようなシチュエーションで照明をオフにするかをご説明させて頂きました。

照明器具_スイッチ_コンセント位置の現場確認

最初の設計段階では、このような迷路のような謎の図面でスイッチやコンセント位置を確認させて頂くのですが、図面の読み方が分かっていないお客さまでは理解するのが難しいので、現場でこのような打ち合わせをするようにしています。

照明器具_スイッチ_コンセント位置の現場確認

担当スタッフの岸本さんが廊下からリビングダイニングに入った壁にスイッチだけでなく、インターフォンと床暖房のスイッチがある壁を説明してくれています。これをアップで見ると…、

このように壁に実寸サイズで切り抜いたインターフォンと床暖房コントローラーや照明スイッチ類を壁に仮止めして、お客さまが実感しやすいように工夫しているのです。

照明器具_スイッチ_コンセント位置の現場確認

こちらはお客さまが来る前に、施工会社・の現場監督補助の池田さん、電気設備工事・ムラデンの井上さんと一緒にすべての壁下地にスイッチやコントローラーのシートを張って回っている様子です。

照明器具_スイッチ_コンセント位置の現場確認

まだ壁が無く、造作家具もない空間で、お客さまには想像力を膨らませて頂きながらの作業になりますが、スイッチ類だけでなく、携帯電話やアイパッド充電用のコンセントや、空気清浄機&加湿器&除湿器を置く場所を想像して頂きながら回ると、僕らの発想を超える場所にコンセントを設置しておいてもらいたいとのご要望が出てくることがあるのです。

照明器具_スイッチ_コンセント位置の現場確認

個室のコンセントやスイッチ位置は比較的簡単なのですが、今回は二つの個室の間に通り抜け型のウォークインクローゼットを設けていることや、しばらくの間はお子さまが使う予定の洋室は、近い将来は奥さまのお部屋になるかもしれないので、そのことも踏まえて照明スイッチやコンセントを考える必要がある訳です。
因みにこの部屋の左側の壁はリビングとの間仕切り壁で、この壁の裏側にテレビが設置されるので、遮音性能を高めるためにグラスウールを充填しているため、こちらの壁には遮音性能を低めるコンセントの穴あけはしないことに当初設計からなっていたので、すでに石膏ボードが張られています。

照明器具_スイッチ_コンセント位置の現場確認

この段階であればスイッチを移設したり、コンセントを増設するのはまだ比較的容易ですが、それをキチンと図面に残しておかないと後で混乱してしまいます。岸本さんがこの日の打ち合わせで決まった変更事項を電気図に書き込んでくれています。

これは当初はリビングのソファ下に設ける床付けコンセントを、照明スイッチと連動してオンオフできる仕様にしていたものと、2口の床コンセント(床コン)の一つはそのまま連動し、もう一つは連動させずに携帯の充電用に使えるようにすることしようとのことになりました。そのために床コンまで新たな配線を通す必要があり、その作業を電気屋の井上さんと現場監督の樋口さんが共同して頑張ってくれているところです。
写真手前に見える井上さんが握っているコードの左手前にオレンジ色のCD管(合成樹脂製の可とう電線管(自由に曲げられる管))に新たな線を通そうと苦心してくれているところです。奥の樋口さんが引っ張ろうとしているのは、CD管の中に事前に通しておいたリード線です。

このように左側のリード線(通線ワイヤー)に通したい電線を結び付けて…、

左側に立ち上がっているCG管に通して、床コン側から引っ張って通線するという仕組みです。最初からこのように計画していれば楽だったのですが、後から通すことになったので一苦労だったようですが、青とムラデンの協力で20分ほどの作業で通線することができたようです。