赤坂S邸の現場でアムスタイルのオーダーキッチンの取付けが始まりました。
ボックスとカウンター、機器類の搬入だけで丸一日掛かったそうで、2日目の夕方に現場に行った際には、ここまで組み上がっていました。イメージとして半分ほど組み上がった感じでしたが、まだリビングには多くの箱や機材が置かれており、まだこれから一日半ほど掛かりそうだとのことでした。
中央に伸びてくるペニンシュラ(半島型)カウンターですが、ダイニングテーブルも兼ねる形になっているので、下で組んでいる箱に比べて、上部のカウンターがキャンティレバー(片側だけが固定された片持ち方式)になっているので、その固定が本日の作業の山場になりました。
カウンター材を下から支える構造体の取付けの様子です。ベニヤ板のように見えますが、中に鉄板を挟み込んだ特殊な板になっており(取り付け最中の板は単なるベニヤ板で、その三方周りの板が鉄板入りの板です)、それを床材にしっかり固定している箱にガッチリ留め付けています。ベニヤ状の下地板の中央に9カ所のビス穴が見えますが、ここで下地板を固定する仕組みになっていました。
キッチンの組立てと並行して、写真左奥にある寝室でも造作家具の取付けが進んでいました。
家具の中央に柱型が見えますが、それを避けるような形で両側上部に扉付きの吊戸棚とオープン棚を設けるデザインとしています。中央の腰板部分がちょうどベッドのヘッドボード代わりになる予定です。
玄関ホールの2枚の建具を纏めたフレーム部分の造作はすでに完成していました。ウォールナット材にカラーガラスやピクチャーレール、さらに2枚の扉(トイレとキッチン)を枠なしで納めるという、とても難しい家具でしたが、きちんと収まっておりホッといたしました。
トイレの奥の造作棚の中に分電盤を仕込んでいますが、電気屋の望月さんが作業中でした。
これだけの数の配線を間違えずに結び合わせてゆく作業は、頭が下がる職人技です。電気屋さんの作業は、上手くできて当たり前で、間違えてしまうとひどい問題が生じるので、ある意味完成してしまうと目立たない作業ですが、僕らのデザイン意図を間違えずに的確に収めてくれる腕前にはいつも感謝あるのみです。
洗面では、リクシルの既製品のシステムシンクを造作家具のように組み込み作業が進んでいました。隣にセットするトール収納の扉と合せて、既製品シンクの扉も交換することで、一体型に見せようと考えています。
最後の写真は、引き込み扉が収まった壁と天井の取り合い部分です。先日のブログ記事で紹介したコーナーディテールの個所ですが、塗装とクロスが仕上がって、このようにきれいに収まりました。こちらは大工の内原さんの技術力に感服です。