港区白金台のマンションリノベーションの解体工事が始まって、ちょうど一週間、途中経過報告です。
解体前の事前調査で、今回の既存内装が、壁先施工で行われていることが判っていました。最近の高級マンションの床下地は、上下階の騒音問題などの理由により、置き床工法が採用されているケースがほとんどです。その置き床工法でも、壁を先に施工するか、”床を先に施工”するかで、大きく二通りの施工方法があります。
コンクリートで空間が出来た段階から内装工事が始まりますが、まず先に壁を立てるのか、それとも”床の下地を作る”のか、の違いです。壁先施工の場合、壁が出来上がった後、それぞれの部屋の空間の仕様に応じて、床下地を組み立てて、天井下地を組んでゆきます。
それぞれの部屋の床の仕上げ材が違っていながら、(畳敷きの和室や、”石敷き”の洗面や”床暖房”のあるなしなど)全てを同じサーフェス(面)に仕上げたい場合、この壁先施工の方が楽になります。
床仕上げ材が全室同じで、天井の高さもそれほど変わりがない場合は、床先施工が行われる可能性があります。マンション一戸分全体に、床下地を組んで、その上に壁を建ててゆく事になります。
内装施工時には、それぞれのケースに合わせて、どちらかの工法が選択されますが、解体する際は、どちらの工法で作られているか、きちんと把握しておく必要があります。壁先施工だったことを知らずに、下手に壁を壊した場合、天井が落ちてきてしまうことがあります。※因みに、最近は施工スピードを考えて、壁先施工事例が多いようです。
今回の事前に、コンセントプレートを外して、棒を突っ込んでみるという簡易調査で、壁先施工であることがわかっていました。解体業者にも十分注意しながら解体してもらいました。
写真は、寝室部分の解体情況写真です。二つ分の寝室と、”ウォーク・イン・クローゼット”(通称:WIC)を纏めた分のスペースなので、広々として、とても広く感じます。床下地と天井下地に、かつて壁があった箇所にスリットが入っているのが、”壁先施工であった証”です。
空間の中心に一本だけ仮柱が立っていますが、実はこの柱を抜いてしまうと、その付近の天井が落ちてしまうので、その補強となっています。