Author Archives: Kenji Kagami
2016.01.18
大判大理石調タイル・フィアンドレ@アークテック
[原宿K邸]
原宿のK邸では、キッチンのガスレンジ正面の壁に大判タイルを張って、一つの見せ場にしようという計画が進んでいます。普通であれば、ガスレンジ上にはレンジフードが付き、その左右に吊戸棚が並ぶのが一般的ですが、少し奥まった場所にあるキッチンなので、広さと明るさを感じられるように継ぎ目のなるべく少ない大判タイルで仕上げることになりました。
お施主さまとスタッフの竹田さんの正面に並んでいるのが、イタリアのフィアンドレ社が作っている1m×3m(!)の大理石調の大判タイルです。この大きさながら厚みは6ミリで、大理石柄もタイル素地に含浸させているので、磨き化工やマット加工も可能という優れたタイルです。
大理石の種類も10数種類あり、模様が重ならないように柄のパターンも幾種類かあります。今回の計画では、大きな柄が入っている物の方が印象がはっきりとして良さそうだと考えて、写真一番奥に展示されていたスタトゥアーリオを2枚オーダーして、ブックマッチにすることになりそうです。
因みに、ショールームの床に張ってあったのは、同じフィアンドレの
2016.01.10
マンションリノベーション赤坂S邸の解体中
[赤坂S邸]
マンションリノベーションあk坂S邸プロジェクトは、リフォーム本体工事は設計施工でリフォームキュー、キッチン工事は施主支給でアムスタイル、浴室工事も施主支給で東京バススタイル、僕らカガミ建築計画がデザインアドバイスと工事分担が決まりました。今回の工事体制では、全体の責任を持って、工事の取り合いや工程を管理する会社がないので、解体前に再度各施工側の責任者が集まって、それぞれの役割分担を再確認いたしました。
一番絡む工事があるリフォームキューとアムスタイルの打合せでは、リフォームキューの工事管理の石原さん、アムスタイルの設計の宮本さんと工事管理の寺口さんに集まってもらい、それぞれの工事の分岐点を確認するとともに、レンジフードのダクトルートも一緒に確認して貰いました。
キッチンがダイニングやリビングとも溶け合うようなデザインを考えているので、リビングの柱形をキッチンパネルで隠す工夫についても、寸法や取り合いを一緒に確認いたしました。
リフォーム工事との絡みが比較的少ない、東京バススタイルは社長の眞柄さんが調査解体時に開けた壁孔から配管位置や寸法を計算して、リフォームキュー側に報告してくれました。
工事区分が明確になった時点で、解体工事がスタートいたしました。こちらのマンションでは、同時に大規模リノベーションが10件近く動いてるそうで、搬入搬出用のエレベーターの確保が一大事で、行程をエレベーターが確保できたタイミングに合わせて組んでゆく必要があるそうです。
床撤去で露わになった床下の給水給湯管と排水管とガス管です。排水管の位置によっては、オーダーユニットバスの設置位置が変わってくる可能性がありましたが、この状態であれば問題がないことが判り、ホッと致しました。
天井ボードの撤去で、天井裏の排気ダクトのルートも判りました。おおよそ、図面と当初の想定通りでしたが、一か所だけ思わぬか所を浴室からの暖房換気扇のダクトが通っていたので、これだけだデザインにも影響を及ぼすので、写真で状況をお施主さまにご説明して、追加費用をお願いしてルート変更させて貰うことになりました。
普段のマンションリノベーションでは見慣れない部材が壁裏から現れてきました…。
こちらは建物の揺れを軽減するための装置で、制振ダンパーと呼ばれるものです。
設計図に記載があったので、当初からこの制振ダンパーが現れてくるとは判っていました。ただ、その位置(角度)が正確には分かっていなかったので、現地の壁に黄色いテープでマーキングしてみました。というのは、このダンパーの奥に見える壁が隣接住戸との間仕切壁で、ダンパーが設置された部分も専有部なので、隙間をうまく使えばボーナスの収納が得られると考えたためです。この様子をお施主さまにお見せして、新たなボーナス収納をご提案しようと思っています。
そうこうしている間も、お施主さまのSさまとは事務所で打合せを行いました。まだ、最終決定ができていなかった、仕上げ材量とその色味、ツヤをサンプルを見ながら打合せいたしました。
それぞれの部屋毎に仕上げ材の候補となっていたものを並べ、壁材や扉の仕上げ材などを交換しながら、一番しっくりする組み合わせを考えてゆきました。写真は、キッチンと絡むダイニング部分の仕上げ材で、床はスカンジナビアンリビングのオークホワイトオイル仕上げ、ウォールナットの柾目突板に薄い灰色系のカラーガラスの組み合わせと決まりました。
各部屋ごとに決まった仕上げ材の組み合わせを忘れないように、お施主さまのSさまとリフォームキューの岩波さん、そして僕らと三者がそれぞれのカメラや携帯で撮影して記録してゆくことになりました。
2016.01.06
窓際の梁を隠す、R形状の下がり天井
[白金台P邸]
窓から緑しか見えない白金台P邸のリフォーム計画では、その緑が見える窓をどう見せるかかが、大きなデザイン上のポイントとなっています。
従来は、窓上に張り型があって、窓を圧迫しているように見せていたので、このように垂れ壁部分を天井とR形状に繋ぐことで、梁の存在を消して、軽く見せることを考えています。また、アルミサッシのテラス側に見える網戸も隠したいので、新たにサッシ手前側に木製の方立を立てて、そこにプリーツ式網戸を収める計画としています。
まだこの段階では、却って天井が下がってきて圧迫感が増しているように感じれそうですが、出来上がりはきれいになる予定です…。床の工事も、同時進行で進んできています。
こちらは、事前に大工さんたちが工場で曲げ加工してきたFGボードです。水に浸しながらゆっくり圧力を加えて曲げてゆくので、均一には曲がってきませんが、曲がった形で組んだ下地にビスで固定することで、全体のカーブが出来上がります。
天井の梁だけでなく、リビングの床と窓サッシの下端も20センチほどずれていました。ベランダと一体感が感じられる式台が、室内側にも伸びているイメージで、このような台を作ってもらいました。窓サッシ戸の間に溝が見えますが、そこにプリーツ網戸が入る予定です。
床は、元々が直床でカーペット張りだったので、マンション管理組合の規約に則った、遮音マットを敷いて、その上からフローリングを張るための下地ベニヤ板を敷き込んでもらっています。
FGボードと床下地が張り終わったリビング空間を横から見た様子です。カーブの部分と平らな天井が繋がっただけで、圧迫感は随分減ってきていると思っているのですが、如何でしょうか?
まだ、複雑な形状の枠材が現場に置かれていました。設計した僕らは、仕上がりイメージを考えながらデザインしていますが、造る側のリフォームキューでは、それらをどのように作ってゆけば、材料に無駄がなく、かつ効率的に作ってゆけるかを検討して、材料を発注してくれています。役割の違いではありますが、僕らのデザイン性を理解して、それを頑張って実現してくれる施工側には、感謝あるのみです。
同じ大工造作工事では、玄関タタキ横のベンチ家具の下地も組まれていました。
設備に絡む形で、浴室の壁&天井下地工事も進んできました。
後は、ちょっとの間、この気持ち良いテラスに仮置きされていたハーフユニットバスを組み込んでゆきます。
それにしても、このテラスで緑に囲まれながら露天風呂を楽しめたら、どんなに気持ちが良いのでしょうか…。
そして、後日ハーフユニット浴槽が組み込まれた浴室の様子です。手前、洗面脱衣室との壁下地も上がってきました。
廊下の床のフローリング張りも始まりました。IOCの幅広フローリングのオーク40クリアブラッシュドを採用していますが、通常の張り方と少し変えて、壁の縁四週にボーダー状に一枚廻したうえで、中には横張りしてゆくスタイルで張って貰っています。
張り終わってきたリビングのコーナー部分のフローリングです。広い面積を、一様に張ってしまうと、ノッペリしてしまいがちなので、今回はこのような工夫をしてみました。