Author Archives: Kenji Kagami

設計業界では亜流であったリフォーム・リノベーションに、十数年前から真剣に取り組んできた設計事務所、カガミ建築計画の各務謙司(カガミケンジ)です。 学生時に初めて設計したプロジェクトがリフォーム、ニューヨークでの建築修行時も高級マンションリフォームに特化した設計事務所勤務、帰国してからもリフォームの仕事が圧倒的に多く、リノベーションに特化したカガミ・デザインリフォームのブランドを立ち上げ、上質リフォームの普及に尽力してきました。

リノベーション工事の設計検査に向けて

[六本木N邸]

超高級マンションリノベーションの六本木N邸も、完成直前で設計検査の準備中です。

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リビングダイニングは大型84インチのテレビを掛けるための壁下地がほぼ出来上がっています。まだ、床の養生がはがされていませんが、荷物を移動しながら養生を剥いでゆきます。

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こちらがテレビの下地壁です。中央にH型で取り付けられているのがテレビ固定用の壁掛け金物で、左右に長細くベニヤ板の下地が見えているのは、B&Oのスピーカーを取り付ける箇所です。テレビの背面にはカラーガラスを張り、凹ませた周囲にはステンレスの鏡面板を張って、さらに極細のLED照明を仕込んでいます。

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廊下ホールからリビングダイニングの入り口を見返した様子です。先回、扉の塗装色を間違えて持ち帰ってもらったので、扉がついていない状態ですが、扉の左右にガラスと鏡が張れている様子が判るでしょうか?

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床養生をはがした後のスイッチ類とインターフォンを纏めた情報板です。上部にはステンレス板張りの扉、下部にはカラーガラス張りの扉を付けた収納を作っています。

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反対にリビングダイニグ側から大理石張りの廊下ホールを見返した写真です。正面奥に見えているのが、ガラス張りのライブラリーです。

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こちらはライブラリーの残りの書棚を設置している様子です。本棚は上下に最小限のフィラーしか入れない、ギチギチの寸法で作ってもらい、さらに照明スイッチ用の電線も差し込む必要があり、思っていた以上の難工事となっていました。

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何とか無事に設置し終わったライブラリーの書棚たちです。

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すでに設置されていたウォークイン・クローゼットの家具にも鏡や壁掛けのブラケット照明が取り付けられています。

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先ほどの写真がご主人用のクローゼットで、こちらが奥さま用のクローゼットです。クローゼットの内部や扉の仕様はほぼ同じですが、小物収納のデザインを変えています。ご主人用は透明ガラス張りの甲板なのに対し、奥さまのものは白系の大理石張りとしています。

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小物収納引き出しの内部はスエード調人造皮革のエクセーヌを張っています。貴重品をしまう引き出しは鍵付きとしています。

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完成したウォークインクローゼットを、施工をお願いしたタイム&スタイルの木村さん、リフォームキューの岩波さん&坂本さん&富田さんと一緒にチェックしている様子です。

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その間に、リビングダイニングでは、窓際のシルエットシェードの設置が始まっていました。

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駆動を電動としており、合計6本のシェードが一つの部屋に並ぶので、フィンの位置調整まで丁寧に行ってもらっています。

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お隣のキッチンは床養生も取れ、クリーニングもされているようで、ほぼ完成状態でチェックができます。

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廊下はまだクリーニングもできておらず、大工さんや造作家具やさんが出入りしており、チェックは最後になりそうです。ただ、楽しみにしていたレザー張りの壁パネルの全容が見えてきました。

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レザーパネルの扉の後ろに隠れている来客用トイレもほぼ完成です。カラーガラスと鏡、大理石のカウンターの色合いもとてもシックで決まっていました。

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寝室手前の奥さま専用の洗面所も家具がほぼ整って、完成直前です。シャワーブースの扉が透明ガラスなハズでしたが、何らかの手違いで曇りガラスの扉になってしまっていたので、こちらは交換してもらう予定です。

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完成してクリーニング終わった部分から、順に設計検査を行ってゆきましたが、まだ完成していない部分があるので、これから家具を搬入してゆきながら、チェックをしてゆくことになりそうです…。

雑誌「都心に住む」 表紙掲載&2号連続掲載

[代官山T邸]

これまで幾度かお手伝いしたマンションリフォーム事例を掲載して貰ってきた雑誌「都心に住む」(リクルート社)ですが、今回初めて表紙に事例写真を掲載して貰いました!昨年6月に完成していた目白Y邸です。

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それも、都心に住むでは珍しい「新築か中古リノベか」というリフォーム&リノベーションの特集号です。雑誌の広告が新築分譲マンション主体なので、営業的には新築マンションの方が優れていると書きたいところでしょうが、中古マンション購入&リノベーションという流れが大きくなってきているので、無視できなくなっているのではないでしょうか…。

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取材時の様子もブログで紹介しておりますが、編集部の江原さんもライターの長谷井さんもカメラマンの相馬さんも揃って、「気持ちいい!」と褒めてくださった空間でした。築浅で購入した中古マンションをあまり手を入れずにリノベーションした事例の代表として紹介されています。

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こちらはご紹介が遅くなりましたが、先月号の都心に住むです。表紙の左側に小さく「閑静な街に暮らす 欲しかったのは低層マンション」というミニ特集で、代官山T邸が紹介されました。これで2号連続での掲載です。

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都心に住むで2度も取材して頂いていますが、第一回目の取材時第二回目の様子です。巻頭特集ではないので、後ろの方のページで、自分で探しても簡単には見つからない目立たない記事ですが、どうぞ本屋さんで手に取ってお探しください。

 

 

南平台N邸の一年点検&補修

[リノベーション]

昨年の春に、リノベーション工事の竣工お引渡しをしていた南平台N邸の一年点検に伺ってまいりました。

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いつ伺っても、このようにきれいに暮らしてくださっています。これまでも幾度か雑誌などの取材撮影のためにお邪魔していますが、本当にカッコよいお宅です。お掃除も人を入れず、ほとんどご自身でしていらっしゃるので、点検と事前にお伝えしたところ、最初から使い勝手が悪くなっていた建具や、塗装の傷などをすべてご自身でご案内してくださいました。

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トイレの建具の錠がうまく掛らないのは、建具に歪みが発生していたようです。事前に状況を伺っていたので、建具屋さんに当日同行して貰っていたので、早速建具を取り外して、再調整してもらいました。

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浴室の床にピンク色の汚れ(カビ?)が発生している状況も伺っていたので、有料とはなりますが、クリーニング屋さんにも来てもらい、2時間ほどかけて、丁寧に汚れを落として、ガラス扉のカルキの汚れまでピカピカに磨いてもらいました。

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ウォークイン・クローゼットの天井にある全熱交換機(ロスナイ)のスイッチが赤く光っていることも報告をもらっていたので、電気屋さんにも来てもらい、天井裏をチェックして貰いました。こちらは今回のリノベーション工事で触っていなかった部分ですが、フィルターの交換時期を知らせる警報だったようで、有料でフィルターの交換と機器の洗浄を行うお約束を致しました。

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先日アルフレックスのショールームに別件で伺った際に、こちらのお宅の担当をしてくれた中山さんに会いました。南平台N邸の一年点検に伺うことをお伝えしたところ、リーバのダイニングテーブルのメンテナンスに伺いたいので同行させて欲しいとのことになりました。

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リーバ社の特性のオイルを持参してくれて、早速オイル掛けをしてくれました。ハードに使われているテーブルの場合、まずは汚れを落としてからこのオイルを塗布するそうですが、こちらのテーブルは日常のお手入れがきちんとされているので、軽く汚れ落としをするだけで、すぐにオイルを塗ることができたそうです。家具を大事に使ってくださっていること、中山さんもとても喜んでくれていました。

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ミノッティのソファーも全く他社であるアルフレックスの中山さんが見てくれました。どうしても同じ場所にばかり座ってしまうので、その場所のクッションが歪んでしまうとのご相談に対して、クッションのお手入れの方法を説明してくれました。モルテーニなどの高級イタリアン家具を扱っているので、ミノッティも大体わかるそうです。

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何度も伺っておりますが、これまでにうまく撮影できていなかった箇所を追加で撮影させて頂きました。こちらは造作で作ったリビングの飾り棚です。小物のコーディネートは、お施主のダイレクトのご依頼で、雑誌のモダンリビングにお願いして貰ったものです。

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同じくリビングの窓際のカウンターです。窓台とフラットに続くカウンターで、アートはギャラリークローゼットに依頼して中込靖成さんのアートを入れて貰いました。立体彫刻はベイカー@東京のもので、植栽はモダンリビングさんです。

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ダイニングの扉脇の素敵な鉢に入れられたカポックも、

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ダイニングテーブルの上に飾られた多肉植物の寄せ植えも、モダンリビングのLove Greenというレンタルグリーンサービスでお願いしたものです。モダンリビングのブログでも紹介して貰っていますので、こちらもご覧ください。
通常の一年点検は、点検当日はチェックするだけで、そのあとに当日作ったリストをもとに、また別の補修日程を組んでメンテナンスしてゆくものですが、今回は事前にある程度不具合の箇所のご連絡をいただいていたので、当日中にある程度補修することができました。まだ、ロスナイのフィルター交換や塗装の塗り直し工事が残っていますが、補修を同日に行うスタイルはお施主さまにも便利だと思われますので、これからもなるべくこのスタイルで実行してゆこうと考えています。