Author Archives: Kenji Kagami
2014.12.02
白金台Y邸のビフォー&アフター
[白金台Y邸]
先日工事が完了して、無事お引渡しをしたビンテージマンション白金台Y邸のリノベーション前後の比較写真をご紹介いたします。
リビングダイニングのリノベーション前後の様子を一番比較しやすい写真です。初めて現場を拝見した時から、少し狭くて、天井のラインが張り型などのせいで、ガタガタしていることが気になっていたダイニングを、いかに空間として整えてゆくかがとても重要なポイントだと考えていました。また、ダイニング奥には大きな柱型が目立っていました。天井については、天井カセット式エアコンを埋め込める寸法を基準に下がり天井を作り羽目板で仕上げリビングまで張り出させました。柱型は横のニッチに造作収納を作り、同じ面材で柱を囲い込むことで圧迫感を減少させました。
違う角度から見たリビングダイニングです。かつては奥まって狭く感じられたダイニング空間が、下がり天井の張り出しと梁高さと下がり天井の段差を隠すために作った袖壁のお陰で、奥へと続くゲート型のようになりました。リビングののっぺらした壁には、アクセントクロスをパネル貼りして、梁型を少し下げて入れたダウンライトで照らして、アクセントとしての役割を強調してみました。
右が玄関ホールへと続く開口で、左はかつてはエアコン本体を入れていた収納です。以前の玄関ホールは自然光が差さない暗い空間だったので、扉をガラスに変えて光を導いています。エアコンを天井カセットにしたことで、ニッチが生まれたので書斎コーナーとして造作カウンターを作っています。
今回のリノベーションで最も気に入っているのが、この玄関ホールの造作家具です。リノベーション前は小ぶりな靴収納家具が設置されているだけでしたが、リビングへの開口と一体でフレーム型を作って、靴収納、ベンチと手すり棒、そしてガラス扉を一つのデザインとして纏めてみました。ベンチの背部には大理石のモザイクタイルを張り、薄型のLED照明を仕込んで照らしています。
ダイニングのビフォー&アフターです。天井も壁(造作収納)もキッチンへの扉も同じオーク材で包んで、小さいながらも特徴のある空間へと改装しました。キッチンへの扉は小さなものでしたが、大きな表引き戸を引くと、キッチンとダイニングが一体に感じられるほど開口部を増やしています。
キッチンは以前は洗濯機も入ったユーティティーを兼ねていましたが、給湯機に置き場に洗濯機を移設したことで、大きなキッチン機能だけの空間に生まれ変わりました。少々、背面カウンターとの間は空きすぎているので、キャスター付きのカウンターを追加でご提案したいところです…。
廊下の比較写真です。照明を蛍光灯からハロゲンに変えているので、色味が大きく変わっていますね…。当然ながら床材をフローリングに張り替えていることや、突き当りの壁にもフローリングを張り伸ばしていることは違っていますが、実は廊下に面した建具は変えていません。
洗面脱衣のビフォー・アンド・アフターです。大きく変わったのはアルミのフレームドアだった浴室への入り口を、ステンレス枠のガラス扉に変えたことです。洗面カウンターはそのままで、洗面ボウルを塗装し直して、扉の壁紙も張り替えました。天井のダウンライトの灯数を増やして、明るくしています。
最後の写真が浴室のリノベーション写真です。こちらも浴槽は再塗装、壁パネルは張り増し、水栓金物は交換して、照明を変えています。機能的には浴室乾燥暖房機も加えています。
全体的に、予算もある程度限られた中で、このマンションが元々持っていたビンテージ感を上手く活かしながら、違和感がないインテリアリノベーションになるようにデザインしてみました。
2014.12.02
大型ウォークイン・クローゼットの設計
[六本木N邸]
六本木N邸のお施主さまは、ご夫妻共にお洋服のコレクションを沢山お持ちなので、窓際にある二つの寝室分を超大型ウォークイン・クローゼットにリフォームするように考えております。
内部でお二人のクローゼットに分かれていますが、全体の面積で約25㎡(15畳)分の広さがあります。
奥行き60センチ、幅1メートルのクローゼットが奥様のWICに9本、ご主人さまのWICに6本、さらにはアクセサリーや時計やサングラスなどの小物を入れる引き出し収納、カバンなどを並べる棚も計画しています。
当初は全てをカガミ建築計画でデザインして図面を起こそうと考えていたのですが、将来的な拡張性や可変性を考えて、システム家具の特注でお願いすることにして、研究の結果、タイム&スタイルのシステム収納家具・ハウスストレージでお願いすることに決定いたしました。
南青山のショールームにNさまご夫妻と一緒に伺って、クローゼット家具の使い勝手を試させて頂きました。
その後は、担当者の木村さんに素案の図面と見積りを作ってもらってから、幾度か事務所に来てもらって細かい納め方や取っ手金物の取り付け方、建具や鏡との取り合いなどを一緒に考えてもらいました。
いつも使っている特注の取っ手金物を進化させてモノを考えているディテールスケッチです。
最終的に出来上がってきたのがこちらの施工図です。これをお施主さまにご説明して詳細を再度詰めて、工事が始まってから墨出しの段階で現場に来てもらい採寸してから製作を始めてもらうことになります。未だ設計したことがない、超大型クローゼットなので、どのように仕上がってくるか、今からとても楽しみにしております。
2014.11.28
虎ノ門ヒルズレジデンス・リフォームのビフォー&アフター
[虎ノ門ヒルズM邸]
先日アートも入って完成した虎ノ門ヒルズレジデンスのリフォームプロジェクト虎ノ門M邸ですが、工事前と工事後の写真をほぼ同じアングルで比べたビフォー&アフター写真をアップいたします。
リフォーム前は白いクロス仕上げ面積が多く、ノッペリとしたイメージでしたが、リビングの壁に大理石を張り、折り上げ天井にもレーリングを廻して、素材感・質感を感じる空間へとリフォームしています。
ほとんど変わっていないように見えるアングルですが、よく見て頂くと、大きな掃出し窓の左側が少し変わっています。実はバルコニーへの出入り口の左側壁に鏡を張っているのですが、このことで窓が広く見えているのです…。また、窓に向かって右側の袖壁はカラーガラス張りで、ソファー背面の大理石壁と合せて、空間の重心が右に寄ったことで、ソファ(アルフレックス)を置く位置の安定感が演出されています。
このアングルではほとんど変わっていないように見えますが、LDからプライベート部分へと繋がる廊下のアルミフレームの引き戸が無くなっています。これでダイニングの背面にアートを飾ることができて、空間としての落ち着きが生まれました。
リビングの袖壁は以前は単なるウォールナット張りの化粧壁でしたが、今回は頑張って(?)テレビを入れ込んでいます。完成時の空間もきれいでしたが、実際に暮らすことを前提に家具レイアウトをしてゆくと、どうしてもテレビを設置する場所が見つからなかったので、このような解決策を考えました。このテレビを仕込んだ壁については、以前のブログで詳しく説明しております。
キッチンも同じような視点でプチリフォームしています。料理をすればシンク前がどうしても片づけにくいのでカラーガラスと大理石で作った袖壁を作りました。また、このような都心居住では電子レンジは必需品なので、この写真に写っていない個所にビルトインの電子レンジを入れています。
プライベート部分はほとんど手を入れていませんが、この廊下突き当りのデザインを変えました。以前はダイニングにあったアルミフレームの引き戸がプライベートとパブリックを分ける界壁となっていました。今回はそれが無くなったので、代わりに廊下突き当りにフレームを嵌め込んで、そこに照明を当ててパブリック部分が廊下先まで伸びているイメージとしています。
最後の写真は玄関ホールです(実は違ったアングルなのですが…)。以前はウォールナットとアルミフレームのガラスで囲まれた空間でしたが、そこに特注の建具を入れて、正面壁にはカラーガラスをデザイン張りして、華やかさを加えております。照明も数を増やしすと同時にハロゲン照明を加えて、明るさを調節しています。
お施主さまにも完成時に、こちらのビフォー&アフターの比較写真をお見せしたところ、いかに以前から変わったかが良く判って、とても良い資料だと褒めて頂きました。