Author Archives: Kenji Kagami
2014.01.28
幅広3層フローリング張り@南青山Y邸
[南青山Y邸]
解体、そして設備関連の先行配管も終わった南青山Y邸の現場には、フローリングが張られました。
今回採用したフローリングは、岡崎製材の幅広・3層・厚突きフローリングです。ヨーロピアンオークを特注で、ホワイトソープ染色仕上げにお願いした製品です。
フローリングは幅広(192ミリ幅)、厚突き(表面の単板が3ミリ厚)、長尺(一本の長さが2.4メートル)、3層(欧州で主流となっているスタイルで、床暖にも対応可の製品が多い)のヨーロピアン・オークです。少々節がある強い表情が特徴ですが、これだけの纏まった面積があるので、その力強い特徴が上手く生きて感じられます。
リビング側からキッチンを見返したアングルの写真です。床にピョコンと立ち上がっているのが、U字型キッチンのシンクが来る部分に先行配管された、給水給湯管と排水管の立ち上がりです。
廊下から続いている濃い染色の壁や建具は活かしているので、キッチンに新しく立てる壁との見切りを工夫して、この写真のようなディテールとしています(と言っても仕上がって見ないと、デザインの意図が判らないと思いますが…)。
フローリングは、パブリック部分とプライベート部分を分けるこの長い廊下にも、更には洗面・浴室以外の全てのスペースに張られました。中々の迫力で、お施主さまのYさまにも気に入って貰えそうです。
2014.01.25
竣工祝いパーティー@白金高輪N邸
[白金N邸]
昨年末にリフォーム工事が完成・お引き渡しをした白金Nさま邸の竣工お祝いパーティーにご招待していただきました。久しぶりに伺わせていただきましたが、とにかくとても使いやすくて快適になったと、まずはお褒めの言葉を頂きました。
シックなダイニングルームに着席で、Nさまご夫妻、施工で尽力してくれたリフォームキューの石原さんと岩波さん、そしてうちのスタッフ4人で賑やかにリフォーム設計時、工事中の苦労話に花が咲きました。
ホームページに掲載している事務所のランチに興味を持ってくださったNさまが、僕が作った料理を食べてみたいとのことだったので、得意のインドカレーを4種類作らせていただきました。キッチンリフォームでは、よくこのガスレンジ(リンナイのデリシア・グリレ)を推薦させていただきますが、大きな鍋を使った料理では本当に快適でした。
このような材料とお鍋などをスタッフの竹田さんと2人で1時間先にN邸に持ち込ませ頂いて、一気に料理しました。ちょっと出張料理人のような気分です(笑)。とにかく広いキッチンなので、沢山の料理を作るのも効率的でした。因みに、手前のビニール袋には事前に炒めておいた玉ねぎ12個分が入っています。これと、スパイスでマリネした肉類と圧力鍋で煮ておいた豆で時短料理にチャレンジでした。
左上から時計まわりに、ヨーグルトベースのチキンカレー、スパイシーなポーク・ビンダルー、アル・ベイガン(ジャガイモと茄子のカレー)、ひよこ豆のカレーです。
こちらは付け合せのキュウリ入りヨーグルトと、竹田さんが作ってきてくれた人参のサラダです。隣は珍しいライムのチャツネ(瓶詰)です。
Nさまがご用意してくださった前菜とビールと一緒に並んで、賑やかなパーティーのスタートです。
エプロン姿が好評でした(?)。
少しスパイスを加減してしまったので、優しい味でしたが、お陰様で皆さまには好評だったようです。食後には写真を撮り忘れましたが、リフォームキューが持ってきてくれたジェラートとフィナンシェとコーヒーを頂きました。
お久しぶりに伺ったN邸には、新しいインテリアの小物やアートも用意されており、どれをどこに飾ったら良いかのアドバイスもさせていただきました。こちらはお施主さまご夫妻が以前暮らしていたアメリカ・フィラデルフィア郊外の地図だそうで、玄関の壁に石原さんに協力してもらって掛けさせていただきました。
当日は、Nさまのお言葉に甘えて3歳の娘も連れて行かせていただきました。彼女はリビング奥の隠れた読書ニッチが大いに気に入ったようで、Nさまが用意してくださっていた積み木や絵本を持ち込んで、ずっーと遊んでおりました。やはり子供は本能的に、このような小さくて囲まれた空間を好むのですね…。米国の大学院の課題で実験的に作った5歳の女の子たちのためのドールハウス・プロジェクトを思い出しました。
広いお宅のリビングとダイニングを行ったり来たりしながら会話が弾んで、結局3時間以上お宅でのんびりさせていただきました。自分たちでリフォーム設計のお手伝いをさせて頂いたお宅で料理の実体験をさせて頂いたこと、とても貴重な経験でした。楽しく、美味しい(?)竣工パーティーにお招きくださったNさまご夫妻、どうもありがとうございました!
2014.01.23
大工造作ディテール-2
[南平台N邸]
先日ご紹介した渋谷区南平台のマンションリフォームの大工造作ディテールの続きです。設計の意図を図面から理解する図面読解力と、多様な仕上げ材・要素を組合せてゆくための段取り力が一番問われるステージです。
本日も大工さんが3人に電気工事が2人に現場監督代理の福井君で総勢6人の賑やかで活気あふれる現場です。
途中までできていた、リビングの窓脇の造作ベンチもほぼ出来上がってきました。図面で描くのは簡単ですが、細かい収まりには面倒な個所があるようで、ベテラン大工の町永さんが3日間付きっきりでで仕上げてくれました。
既に下地が完成していたダイニング部分の天井を、廊下越しに見た風景です。照明用のスリットがスチールサッシを跨いで通っていることがよく判ります。
寝室に使ったウェンジ・フローリングの余り材を使って作って貰った玄関脇のベンチコーナーもきれいに仕上がっていました。この隙間までピッタリと作り込まれた感じが、現場での大工造作家具の特徴の一つです。
こちらは主寝室のテレビを壁掛けで設置する壁の造作です。右端にある柱型を避けて、木製のフレームを廻して、その内側にテレビ機器の収納とクロスを張ったパネルを並べたようなデザインにする予定です。
寝室のフレームとウォーク・スルー・クローゼットの収納、そして洗面のカウンターまでが一直線に繋がって見える算段となっています。違った素材で仕上げるので、一直線にそろえると言っても、実際には各仕上げ材の取付け寸法を考えた上で、作ってゆくことになります。
こちらは先日紹介したリビングのスイッチ・コントローラー関係を纏めたパネルです。
主寝室のベッドサイドにも、ちょっとコダワッてデザインした小物置きを作って貰っています。
これらの細かい作業を作るうえで欠かすことができない大工道具のノミセットです。町永さんきちんと手入れされたものを盗み撮りさせて貰いました。
大工工事との取り合いの関係で、一部の造作家具も入ってきていました。こちらは来客用トレイの手洗いカウンターです。丈夫には、大理石のカウンターが載る予定です。設計していても、現場は大変だろうなと想像していた箇所、ほぼ全てが上手く納まっていて、安心しました。