Author Archives: Kenji Kagami
2009.08.05
オーダーキッチンとシステムキッチンの違い?
[白金台S邸]
マンションリノベーションの工事進行状況ですが、現在オーダーキッチンの組み立て中です。オーダーキッチンとシステムキッチンは、よく混同されることがありますので、その違いを、設計者の視点でまとめて見ました。以下、オーダーキッチンの特徴です。
・扉材とカウンター材をあらゆる素材から選ぶことができる
(システムの場合、決まった選択肢の中から選びます)
・金物、金具、装置類を多様なカタログから探すことができる
(システムの場合、そのメーカーが指定したものから選びます)
・クライアントの好みで、ありとあらゆる組み合わせができる
(システムの場合、提示されたユニットの組み合わせとなります)
・ミリ単位で寸法の指定ができる
(システムの場合は3〜5センチ単位で決めることになります)
・照明器具の組み込みや、建具との連動など、デザインの自由性がある
(システムの場合、特注変更の自由度はあまりありません)
・選択肢の豊富さや、デザイン性のバラエティーがあるため、時間と費用がかかる
(システムの場合は、カタログから選ぶので、時間はそれほど掛かりません、但し、費用はメーカーによってマチマチです)
システムキッチンも、各メーカーが競ってユニークなデザインや独特の機能を開発しているので、最近はオーダーキッチンなみの自由なデザインを実現しているものもあります。また、オーダーの場合、金物類は選べると書きましたが、あるシステムメーカーが開発した金物や装置類は、使えないケースがほとんどです。
今回の白金台の高級マンションリノベーション計画では、オーダーキッチンを選択しました。その理由は以下の通りです。
- 扉の面材をリビングダイニングのデザインに合わせたかったから
- リフォームで平面の寸法や天井高さから、通常のシステムキッチンが使いにくかったから
- 使い勝手と同様、デザイン性をきちんとコントロールしたかったから
特にキッチンの引き戸を開けた際、ダイニングと直に空間が繋がり、ダイニングやリビングの家具や建具で使っている面材と同時に見えてくるシーンが多いことが、一番の理由です。
既存の壁を解体した時点で、下地や配管をチェックしてもらい、更にリフォームの壁を立てた時点で、詳細な寸法確認をしてもらい、それらを基にした製作図面を設計側でチェックし、ようやく製作が開始され、現在の現場での組み立てに至るという長い道のりです。一昨日からキッチンの搬入が始まり、約四日のスケジュールで組み立ててゆくことになります。
キッチン完成後の様子はこちらをご覧ください。
2009.08.03
家庭画報に掲載されました 箱根別荘リフォーム-13
[箱根C別荘]
世界文化社が発行する、高級女性月刊誌、「家庭画報」に箱根C別荘が掲載されました。掲載して貰った特集は、家づくりの新しい基準として、「スタイリッシュな「エコ」住宅に暮らす」というタイトルの特集です。ハイブリッドカーや太陽電池の隆盛、地球温暖化の問題を考えると、エコロジーに配慮しなければいけないことは判る。でも、エコな住宅はそれらしい雰囲気ばかりが漂い、美しさや、楽しさが感じられない。そんな人たち向けに、家庭画報が考えたのが、このスタイリッシュな「エコ」住宅という提案だそうです。
この特集では、トップバッターとして紹介してもらいました。そもそもリフォームは、「今あるものを生かし長く使うことは、それだけでエコである」と考えられるので、この箱根C別荘が取り上げられたそうです。新しい設備機器で、化石燃料を使うのではなく、床・壁・天井の断熱をしっかりして、薪ストーブだけで暖房をするという考え方や、より長く使うために、飽きのこないデザインをし、段階的に手を入れてゆく余地を残すという考えが、「エコ」でありながら、美しく、心地よい暮らしを保証することになるのではと紹介してくれました。
リフォームのエキスパート、建築家の各務謙司と紹介されてしまい、少し面映い感じが致しますが、生活感がありながら、とても美しく仕上がった写真と、エコに関する情報が他にも満載されていますので、どうぞ本屋で手にとってご覧ください。
2009.07.30
木製浴槽と十和田石
[伊豆OK別荘]
現在工事進行中の伊東の別荘リフォームの現場をスタッフの笠原君が報告してくれました。ここは温泉のある別荘で、伊東市街を見下ろす景色抜群の浴室があり、そこにはお施主様の強い希望で、木製の浴槽を入れることになりました。別荘なので、それほど頻繁には使いませんが、塩分の強い温泉であることを考慮した上で、何社のも木製浴槽メーカーの営業の方に話を聞いた結果、今回はハウス&ハウス社の浴槽を使うことに決定いたしました。決定の要因としては、
- 価格
- 施工&メンテナンス体制
- 木の触感
などが決め手となりました。木製浴槽の定番である、檜(ひのき)ではなく、より緻密な米ひばを使い、さらにセラミックス処理をすることでメンテナンスが楽で、伸縮の少ない、高耐久な木製浴槽となっているそうです。
木製の浴槽にマッチして、雰囲気があり、使い勝手も良い材料として、床には、十和田石を選びました。水に濡れると、ほんのり青みがかかり、すべりにくく、吸湿性があり、かつ温かい(ひんやりしない)という素晴らしい素材です。本当は、伊豆で取れる伊豆青石を使いたかったのですが、地元でもほとんど流通していないとの事で、産地違いますが、十和田石を採用しました。
張られた途端に養生されてしまったので、あまりよく見えませんが、木の浴槽と十和田石、そしてモザイクタイルのマッチングは、
必ず美しくなることでしょう。