Author Archives: Kenji Kagami
2009.04.13
建物の品格
[見学記]
仲良しの建築家須田充洋の設計事務所、SUDA設計室が設計した集合住宅の見学会(オープンハウス)がありました。奥まった住宅地の中の、コンクリート造の四階建て賃貸マンションでした。スッキリとしていて、優しい雰囲気の内部空間と、きちんと構成されたカチッとした外観が印象的な建物でした。
普段は、細かい箇所まで設計の手を緩めない須田さんですが、今回は規模も大きく、大まかに設計しているようでしたが、却ってそのことで空間の骨格が素直に見えて、とても品の良い建築空間になっているように思われました。
自分たちが設計した建物は、お施主様の想いや予算の限度、敷地の条件や法規の問題、構造や設備のルールなど、あまりに色々な条件が重なり、中々客観的な評価をすることが出来ないものです。今回のような友達が設計した建物を見学すると、純粋に建物を使う側の人として、空間の気持ちよさや、使い勝手のよさ、そして大げさにいえば、「建物の品格」まで感じることができます。信頼する仲間であり、刺激を受けているライバル(?)でもある建築家の建物を見学することで、色々なことを考えさせて貰うことができました。
2009.04.09
床暖房リフォームの現場調査
[白金台S邸]
現在、設計進行中の白金台の高級マンションリノベーション現場に、東京ガスライフバルの担当者と現調に伺ってきました。
- これまで別々だったリビングルームと”ダイニングルーム”を一体のリビングダイニングにするため、床暖房の範囲が変わること。
- 既存の床仕上げがカーペットだったものを、床暖対応のフローリングに張り替えること。
(床暖房パネルの種類の変更が必要です) - 別々のコントローラーを一つに纏めること。
- 寝室についても間仕切壁を移動するので、床暖房の範囲が広がること。
以上の要望を、図面をもとに現場で説明を行い、担当者に調べて貰いました。
電話で相談した東京ガスライフバルの担当者は、偶然ですが、以前僕らが設計した超高級マンションリフォームの高輪M邸でも工事を担当してくれた方でした。
話を一通り聞き終わった後、注意深く既存の床暖房の図面をチェックし各床暖房のエリアを実際に確認しながら、ガス給湯器のパネルの内部の”ヘッダー配管”をチェックしてくれました。
一通り調査して、リフォームが可能であるとの判断だったので、そのまま見積りを依頼することになりました。これで、お施主様にも嬉しい返答をすることが出来ます。
この写真は、白金台S邸のバルコニーから、下の借景している庭園の桜を見たところです。
2009.04.02
相見積りの趣旨
[伊豆OK別荘]
伊豆の中古別荘デザインリフォーム・プロジェクトの図面がようやく仕上がりました。約3ヶ月掛けて、スタッフ皆で書き上げた図面の枚数は、
- 見積要綱書: 1枚
- 意匠図 : 31枚
- 構造図 : 7枚
- 設備図 : 5枚
- 参考図 : 3枚
で合計47枚になりました。通常のリフォーム設計では、この半分以下の図面枚数でも十分な量ですが、今回は部分増築があり、構造補強、断熱計画に加え、内装デザインも設備も一新するスケルトンリフォームのため、このように図面枚数が増えてしまいました。
本日は、この図面を施工会社に渡して、見積りを依頼をして参りました。図面で詳細に説明しているので、後で図面を見てもらえれば、
見積りの内容は判るのですが、折角現地まで足を運んでの現地説明(現説)ですので、図面一枚一枚をめくりながら、設計趣旨を理解して貰えるように、丁寧な説明を行ってきました。
今回は、数社の施工会社に声を掛けての相見積りとなっています。通常は、相見積りというと、価格の比較が主となりますが、今回は、どれだけ図面を理解して、僕ら設計の意図を把握してくれるか、そして解体したときのリスクを見てくれるかを中心に比較させてもらうことを、明言して参りました。
遠隔地でもあり、毎週現場に設計者が足を運ぶのは難しいので、早い段階での設計・図面の理解と、どれだけ細かく対応してくれるかが、施工業者選択のキーになると考えたからです。丸一日掛けて、同じ内容を各施工会社に説明しましたが、どの会社の担当の方も、時期的には仕事が欲しいとのことで、とても積極的に対応してくれました。約2週間後に見積りが上がってくることになりますが、どのような見積りになるか、楽しみです。